
インドネシアにおけるフランチャイズ規制
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インドネシアでは、飲食業や小売業を中心に、フランチャイズ形態で進出する日系企業が多く、フランチャイズ規制は事業展開における重要な論点となっている。特に、登録義務やローカル要件への対応を誤ると、事業運営に影響が生じる可能性がある。本稿では、インドネシアにおけるフランチャイズ規制について概説する。
目次
フランチャイズの事業要件
フランチャイズに関する政令2024年第35号(以下「フランチャイズ政令」という)では、フランチャイズの事業要件が詳細に規定されており、フランチャイザー(またはサブフランチャイザー)が満たすべき基準が定められている。事業要件は、次の4つに大別される(フランチャイズ政令第4条)。
- ビジネスシステムに関する要件
- 事業収益性要件
- 知的財産保有要件
- 継続サポート要件

ビジネスシステムに関する要件
ビジネスシステムについては、業務手順の詳細な整備が求められている。フランチャイズ事業を運営するに当たっては、少なくとも次の事項を整備する必要がある(フランチャイズ政令第4条)。
- 人材管理(Pengelolaan sumber daya manusia)
- 管理業務(Pengadministrasian)
- 運営管理(Pengelolaan operasional)
- 標準的な業務内容(Metode standar pengoperasian)
- 事業拠点の選定(Pemilihan lokasi usaha)
- 事業拠点のデザイン(Desain tempat usaha)
- 従業員の要件(Persyaratan karyawan)
- マーケティング戦略(Strategi pemasaran)
事業収益性要件
収益性については、次の要件を満たす必要がある(フランチャイズ政令第4条)。
① 少なくとも過去3年間事業を継続し、当該期間において収益性のある事業を営んできていること
② 直近2年間の財務諸表において利益が計上されており、かつ公認会計士による監査を受け、無限定適正意見が付されていること
知的財産権保有要件
フランチャイズ政令では、すべての知的財産について、インドネシアにおける登録が完了した後でなければフランチャイズを開始することはできないとされている(フランチャイズ政令第4条)。
継続サポート要件
フランチャイザーは、フランチャイジーに対し継続的なサポートを提供しなければならない。継続的なサポートには、次のようなものが含まれる(フランチャイズ政令第4条)。
- 人材トレーニング
- 運営管理指導
- プロモーション活動
- 製品調査
- 市場開発
フランチャイズ目論見書

インドネシアにおいてフランチャイズ事業を行おうとするフランチャイザーは、フランチャイズ契約締結日の遅くとも14日前までに、フランチャイジーに対してフランチャイズ目論見書を提供しなければならない(フランチャイズ政令第5条)。また、当該目論見書を事業許認可電子サービスであるOSS上に登録した上で、フランチャイズ契約を締結する前にSTPWを取得しておくことが求められる(フランチャイズ政令第13条)。
目論見書には、次の事項を記載する必要がある(フランチャイズ政令第5条)。
- フランチャイザーの組織図
- 事業の合法性
- フランチャイザーとフランチャイジーの権利義務
- 知的財産証明書(知的財産が登録済みであることを明らかにするため)
フランチャイズ登録証(STPW)
フランチャイズ政令では、STPWはフランチャイズ事業が継続して運営され、関連する知的財産が登録されている限り、無期限に有効とされている(フランチャイズ政令第16条)。
また、外国法人であるフランチャイザーがSTPWを取得する場合には、フランチャイズ目論見書をOSSへ登録する際の添付資料として、次の書類を提出する必要がある(フランチャイズ政令第13条)。
- 自国の事業許可証
- 事業継続性に関する証明書
規制違反に対する制裁
規制違反に対する制裁としては、警告書の発行およびSTPWの取消しが規定されている。

警告書の有効期間は発行日から14営業日であり、2回目の警告書の発行後14営業日以内にフランチャイザー及び/又はフランチャイジーとしての義務を履行しない場合には、一時的な事業活動停止の制裁が科される。
さらに、事業活動停止期間が経過しても義務が履行されない場合には、STPWが取り消される。STPWの取消処分を受けたフランチャイズ事業者は、取消決定日から5年間、新たにSTPWを申請することができない(フランチャイズ政令第10条、第11条)。









