
インドネシアにおける商標ライセンス・譲渡・取消
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インドネシアでは、市場参入や事業展開において、商標の適切な活用と管理が極めて重要となる。商標は、ライセンスや譲渡によって柔軟に利用できる一方、手続や要件を誤ると、権利の効力や存続に影響を及ぼす。本稿では、商標のライセンス、譲渡および取消の制度について概説する。
目次
商標ライセンス
インドネシアでは、登録された商標について第三者へライセンス供与(使用許諾)することが認められている(商標および地理的表示に関する法律2016年(以下、「商標法」)第42条)。一般的に、ライセンス契約は商標権者(ライセンサー)と使用許可を受ける側(ライセンシー)との間で締結され、その内容には通常、独占的または非独占的といった許諾形態、サブライセンスの可否、契約期間、当事者の権利義務、許諾対象となる商標および商品・役務の範囲などが定められる。なお、ライセンスの形態にかかわらず、別段の合意がない限り、インドネシア国内全土において効力を有する(同条)。
また、インドネシア商標法上、商標ライセンス契約は知的財産総局への登録が義務付けられており、登録を行わない場合、第三者に対抗することができない(同条)。さらに、商標ライセンス契約の登録には要件が規定されており、図表1の内容は登録拒絶事由とされている(知的財産ライセンス契約の記録に関する政令2018年第36号第6条)。
登録の際には、契約書(インドネシア語訳添付)や当事者情報、商標登録証の写し等の提出が求められ、登録料も発生する(同政令第5条)。

商標権の譲渡
インドネシアでは、商標権を他人に譲渡することができる。譲渡原因としては、契約、相続、遺言、宗教的事由、その他法令により認められる原因が規定されており、売買、M&A、グループ内再編などによる譲渡も認められる(商標法第41条)。商標権の譲渡を行う場合には、譲渡契約書を作成し、知的財産総局への名義変更登録を行う必要がある(同条)。登録を行わない場合、第三者に対抗することができないため、注意を要する。
登録申請に際しては、契約書や公証人認証、インドネシア語訳の添付等の関係資料の提出、既存の登録証の書換えなどが求められ、手数料も発生する(同条)。なお、商標登録手続中の商標権についても、権利譲渡を行うことが可能である(同条)。
商標権の取消
商標に関する利害関係人は、商標登録に係る標章が登録後または最後の使用から3年以上連続して使用されていないことを理由に、商標権者を被告として、商務裁判所に当該商標の取消を求める訴訟を提起することができる(商標法第74条)。ただし、図表2の場合には、不使用の事実が認められていても取消は認められない(同条)。
商務裁判所による不使用取消訴訟の判決に不服がある場合には、最高裁判所に上訴することができる(商標法第87条)。商務裁判所は、訴訟が受理されてから90日以内に判決しなければならないが、最高裁判所の許可がある場合には30日間の延長が可能である(商標法第85条)。










