
タイの労働許可証 取得・更新と新設法人での申請手続き
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就労ビザとは、タイで働くことを目的に入国・滞在を認めるものであり、労働そのものを許可するものではありません。そのため、実際にタイで就労するには、就労ビザに加えて労働許可証の取得が必要です。本稿では、労働許可証の新規取得や更新手続き、そして新設法人での申請時における実務上の留意点について整理します。
目次
タイの労働許可証(WORK PERMIT)
就労ビザ(NON-IMMIGRANT B VISA)を取得しても、すぐに仕事を始めることはできず、タイ入国後90日以内に、労働許可証の取得および就労ビザの延長手続きを行う必要があります。労働許可証を取得しないままでは、就労ビザの更新ができないだけでなく、タイ国内での銀行口座開設も不可となり、生活にも支障が生じます。また、輸入許可の取得など、各種申請手続きにおいても、官公庁が労働許可証の有無を確認する場合があります。
さらに、労働許可証を持たずに不法に就労した場合には、雇用者・労働者の双方に罰則が科されるため、就労開始前に必ず労働許可証を取得してください。
新規取得
申請窓口
労働許可証の新規発給時は本人同行が必要です。 法人形態及び登記住所により管轄する労働局が異なり、バンコク都内にて日系企業の法人登記が多い地区の申請先は下記となります。
労働許可証を新規に取得する際は、本人の同行が必要です。法人形態および登記住所により申請先の労働局が異なります。バンコク都内において、日系企業の法人登記が多い地区に対応する申請先は図表1のとおりです。

審査期間
申請書類の受理後、原則3労働日の審査期間があり、発給日には本人の同行およびパスポート原本の提出が必要です。発給日は申請後に通知されますが、管轄労働局や担当官により審査期間が変動する可能性もあるため、申請後1〜2週間はタイ国内に滞在できるよう予定を調整することを推奨します。
なお、TIESCでは申請日にVISAおよび労働許可証の更新が完了し、再入国許可証も同時に取得可能です。
必要書類
労働許可証の新規取得時は、日本(または海外)、及びタイ赴任後に国内にて取得する書類もあります。取得まで所要期間がかかる書類もあり、事前に準備が必要です。申請者に関する主な必要書類を下記ご紹介します。
労働許可証の新規取得に際しては、日本(または海外)およびタイ赴任後に国内で取得すべき書類があります。取得に時間を要するものもあるため、事前の準備が不可欠です。申請者に関する主な必要書類は図表2の通りです。

更新手続き
労働許可証も、VISAと同様にタイでの就労期間中は有効期限内に都度更新が必要となります。更新手続きは原則として申請当日に完了し、本人の同行は不要です。なお、BOI奨励認可企業の場合は、VISAと合わせての更新となります。
更新時には、タイ国内医療機関にて申請日前1ヵ月以内に発行された健康診断書や、法人関連書類の提出が求められます。そのため、書類準備にかかる期間を見越したうえで、申請の予定を立てていただくのが望ましいです。
また、更新申請時にはパスポート原本の提出が必要となるため、申請日はタイ国内に滞在している必要がある点にもご留意ください。
新法人での労働許可証取得
弊社で対応した過去の事例も踏まえ、新たに設立した法人において労働許可証を取得する際の留意事項を以下にご紹介します。
取締役およびサイン権所有者
申請書類や法人関連書類には、サイン権有する取締役の署名が必要です。サイン権を有するタイ人取締役が未選任で、外国人取締役が署名する場合には、その外国人取締役の労働許可証の提出が求められます。
ただし、新設法人の場合、サイン権を有する外国人取締役が労働許可証を未取得であるケースが多いため、その場合は申請(代行)者への委任状の発行が必要となります。この委任状は、在外タイ大使館での領事認証を取得する必要があり、外国語で作成された場合はタイ語への翻訳、さらに国内での翻訳証明を求められる場合もあります。詳細は管轄労働局により異なるため、事前の確認を推奨します。
なお、法人設立後もサイン権を有するタイ人取締役が未選任で、かつ外国人取締役が労働許可証を未取得の場合も同様の対応が必要です。一方、BOI企業に関しては、現時点ではサイン権を有する外国人取締役が労働許可証を未取得でも申請が可能です。
VAT登録
労働許可証の申請は、VAT登録が完了していることが前提となります。近年、VAT登録における審査が厳格化されており、登録完了までに時間を要する事例が増加しています。登録時には、法人登記住所に関する書類(入居施設の契約書や家主の証明等)の提出が必要となるため、労働許可証を円滑に取得するためには、こうした書類の事前準備も重要となります。
まとめ
日本人の労働許可証取得者数はコロナ禍以降減少傾向にありましたが、最近では新規進出や、日本人の再赴任・増員を進める企業も出てきており、VISAおよび労働許可証に関するお問い合わせも増えてきています。
今回ご紹介したとおり、サイン権を有するタイ人取締役が未選任で、外国人取締役が労働許可証を未取得の場合は、通常とは異なる対応が必要となる点にご留意ください。また、就労VISAと労働許可証は相互に連動しており、どちらか一方が失効すると、もう一方も同時に失効してしまいます。改めて、それぞれの残存期間をしっかり管理していただければと思います。










