
インドネシアにおける株主・出資比率の変更手続き
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企業の支配構造や意思決定権は、株主構成と出資比率によって大きく左右される。インドネシアでは、これらに関連する株式譲渡や新株発行に関する手続、登記義務が明確に定められており、実務上も厳格な対応が求められる。本稿では、株主および出資比率の変更に関する規制を概説する。
目次
株主・出資比率に関する規制
インドネシアの有限責任会社は、少なくとも2名以上の株主を必要とし(会社法2007年第40号第7条、以下「会社法」という)、定款において出資比率を規定することが求められる(同第15条)。
株主や出資比率が変更される場合には、適用法令に従った手続きを経る必要がある。変更の主な要因は、株式譲渡または新株発行である。
株式譲渡による変更
株式譲渡の手続きは定款に定める必要があり、譲渡時には譲渡証書を作成しなければならない(会社法第55、56条)。譲渡が行われた場合、株主名簿に譲渡日と内容を記録し、その日から30日以内に株主構成の変更を法務人権省へ通知する義務がある(同第56条)。通知を怠った場合、株主構成に関する承認申請が却下される可能性がある。

会社法第57条に基づき、定款では以下を定めることができる。
(a) 特定株式の株主や既存株主への優先売却義務
(b) 株式譲渡に際する会社の事前承認義務
(c) 所轄機関からの承認取得義務
このうち(b)については、会社は申請受領から90日以内に書面で承認または拒否を通知しなければならない。90日以内に書面による回答を行わなかった場合は株式譲渡を承認したものとみなされる。承認後、株主は90日以内に譲渡を実施しなければならない(同第59条)。
さらに(c)について、外資企業(PMA)の場合は株主変更に際して外国投資報告(LKPM)の提出義務があり(BKPM規則2021年第4号第15条)、定款でこれを明示することも可能である。
新株発行による変更
新株発行は株主総会の特別決議によって承認される(会社法第41条)。特別決議は、発行済み議決権付き株式の3分の2以上の出席をもって開催され、そのうち3分の2以上の賛成によって成立する(同第88条)。
授権資本額を増加する場合は法務人権省の承認が必要となるが、既存の授権資本額の範囲内で新株発行する場合は、法務人権省への通知のみで足りる(同第21条)。いずれの場合も定款変更が必要で、公正証書を作成しなければならない。株主総会後30日以内に公正証書を作成し、その日付から30日以内に法務人権省へ承認申請または報告を行う義務がある(同第21条)。

支配権移転を伴う変更
株式譲渡や新株発行によって、新しい株主が会社の「支配権」を取得することがある(会社法第125条)。ここでいう支配権とは、経営方針や意思決定に実質的影響を及ぼす権限を指し、その取得行為は「買収」と定義される(同第1条)。

買収により支配権を取得する場合、買収者はまず対象会社の取締役会に対し、その意図を通知しなければならない。さらに、対象会社と買収者それぞれの取締役会は、コミサリス会の承認を得たうえで買収計画を作成する必要がある(同第125条)。ただし、株式譲渡による買収では、この通知と買収計画の作成は不要とされている。
買収計画は株主総会に提出され、株主総会の承認を得る必要がある。この承認決議は、議決権付き株式の4分の3以上を保有する株主が出席し、その出席株主の議決権の4分の3以上が賛成した場合に成立する(同第89条)。
会社または株主に損害を与えるとしてその買収に反対する株主は、会社に対して自らの株式を合理的な価格で買い取るよう請求することができる(同第62条第1項)。
また、対象会社の取締役会には公告義務がある。買収に関する株主総会決議の30日前までに、買収の要旨を1紙以上の日刊全国紙で公表し、従業員にも書面で通知しなければならない(同第127条)。さらに、買収成立後は、効力発生日から30日以内に、その結果を1紙以上の日刊全国紙に公表する必要がある(同第133条)。









