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もう悩まない!業務の単純化を成功させる「なくす、減らす、寄せる、任せる」の実践ガイド

もう悩まない!業務の単純化を成功させる「なくす、減らす、寄せる、任せる」の実践ガイド

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労働人口の減少や働き方改革が進む中、多くの組織で業務量の増加が深刻な課題となっています。こういった状況の中で、こなさなければいけない業務とチームの働き方にジレンマを抱えるリーダーや管理職の方も多いのではないでしょうか。

そこで、本セミナーでは株式会社スタディスト リーンソリューション事業部 部長の小峯悠司が、リーンオペレーションの概念に基づく業務の無駄を見つけ出し、削減する方法を解説します。今回は、業務改革を実行するための取り組みである「業務ごとの大まかな方針を決める」、「実行につながるよう計画を具体化する」について詳しく掘り下げます。

(前編はこちらから)

「単純化」の鍵は、「なくす、減らす、寄せる、任せる」

株式会社スタディスト・小峯悠司(以下、小峯):当社が提唱している「リーンオペレーション」とは、“深刻な労働人口の減少”という社会的課題に対応し、企業が限られたリソースで最大限の成果を出すために不可欠な業務改善を実現するアプローチです。

リーンオペレーションとして推進されるこの改革は、「可視化」「標準化」「単純化」「徹底化」の4ステップで構成され、特に「単純化」は業務改革の鍵です。今回は、より根本的な解決策として「業務そのものを減らす(単純化)」に焦点を当てたいと思います。

まず、 業務ごとの大まかな方針を決めましょう。「なくす、減らす、寄せる、任せる」という4つの単純化の視点から大まかな方針を決定し、優先順位をつけるのです。

「なくす」は、理由や目的が不明確な慣例的な業務などが該当します。例えば、議題のない定例会議は削減余地があるかもしれません。レストランにおける注文取りをタブレットにし、注文そのものを取る必要をなくすこともできます。もちろんその際に、事業の「ありたい姿」からズレないかを考えることが重要です。

「減らす」は、量や頻度、回数、あるいは人数を削減できないか検討します。日報の週次化や、形骸化した会議の参加者、時間の削減が有効です。当社でも、1時間の通例会議を30分に短縮させました。

「寄せる」は、物理的・時間的に分散している関連業務を統合し、手続きの重複を避けることを指します。例えば、部品や材料の供給場所を作業エリアの近くに設置するなど、手続きの集約も該当するでしょう。

「任せる」は、社内での担当替えに加え、AI活用、RPA導入、アウトソーシングなど、多様な選択肢から外部委託を検討します。完全自動化でなくとも、大部分の工数削減に繋がり、社内リソースを価値の高い業務に集中させることができます。単純化方針

実行につながるよう計画を具体化しよう

小峯:全ての単純化を一度に進めることは困難です。そのため、優先順位付けが重要になります。期待効果が大きく、かつ改善難易度が低い業務から着手する「スモールサクセス」から始めましょう。仮説に基づき期日を設定し、実行と改善を繰り返すことで、具体的な成果に繋げるのです。

単純化の取り組みを個人に任せるのではなく、プロジェクト化して推進することも大切です。プロジェクト化することにより、取り組むための時間を確保しやすくなります。

決定した方針が実行されにくい場合は、ワークショップ形式で多くの関係者を議論に参加させ、方針を自ら決定するプロセスを経ることで当事者意識が芽生え、自主的な実行に繋がります。

一時的な取り組みに終わらせないためには、関係者へのアプローチなど、継続的な努力が不可欠です。部署間の意見対立があった場合は、会社の最終目標を最優先とすることを伝えましょう。社内調整が困難な場合は業務のアウトソーシングを取り入れるのも一つの選択肢になります。

組織で取り組むための具体的な対策には、2つのポイントがあります。

ひとつは、小さい範囲で始めること。全社一斉ではなく、チームや関連部門など、目的を共有しやすく巻き込みやすい範囲から着手します。これにより方針決定がスムーズに進み、大胆なアイデアも生まれやすくなります。

次に、業務遂行のための時間を作ること。個々に任せるのではなく、業務改革をプロジェクト化することで、議論や実行のための時間を確保しやすくなります。

当社が担当した外食チェーン様の事例では、部門間業務の全体像の不明瞭さやコア業務に時間を割けない課題がありました。これに対し、業務の可視化と単純化支援サービスを導入したところ、業務の30%を削減させることができました。

同社は、業務見直しの基盤が整い、「なくす、減らす、寄せる、任せる」の議論を通じて前向きな雰囲気が生まれ、10年以上続く慣例業務の必要性が見直されたのです。業務量に応じた人員配置転換も実現し、現在も継続的な業務遂行に繋がっています。業務の可視化をしている様子

質疑応答

Q. ベテランの社員から「今までの方法でうまくいっている」と言われた際の説得方法は?

A.「ありたい姿」から逆算してみましょう。これまでうまくいっていたとしても、顧客に提供したい価値を100%提供できているかを問い直します。また、時代の変化を強調してもいいかもしれません。生成AIの普及など、世の中は急速に変化しており、過去の成功体験が今後も通用するとは限らないという現実を伝えてみてください。

Q. 業務の洗い出しにかける期間はどれくらいが適切ですか?

A. 速さを優先すべきです。可視化はゴールではなく、あくまでも業務改革、ひいては付加価値向上へのステップです。当社の支援事例では、1ヶ月から1.5ヶ月、長くても2ヶ月程度で実施するケースが多いです。100%の洗い出しにこだわって時間をかけるよりも、労働時間160時間中150時間ほど把握できていれば、十分に進めて良いでしょう。

Q. 部署間の合意が得られず、業務をなくしたり任せたりできない場合はどうすべきですか?

A.社内でどちらの部署が担当するかは社内問題であり、最終的には会社の目指すところを軸に決定することが重要です。社内での調整が難しい場合は、一時的にでも外部に業務を任せる(アウトソーシングする)ことも有効な選択肢です。

Q. 効率化ツール活用や業務削減の中で、現場が効果を実感できません。どのくらいの期間で実感できるでしょうか?

A. 成果が出るまでの期間は業務や方針によりますが、まずは短期間で効果が得られる「スモールサクセス」を実施することが重要です。少ないリソースで取り組め、すぐに「楽になった」と現場が実感できるものから着手しましょう。小さな成功体験を積み重ねることで、現場の協力を得て、より大きなリソース投入が必要な本格的な改善に着手していけると思います。

まとめ

業務改革の中核となる「単純化」は「なくす、減らす、寄せる、任せる」の4つの視点から業務を削減し、高付加価値なコア業務への再投資を目指しましょう。組織を巻き込むには「顧客に提供したい価値」を関係者で共有し、当事者意識を醸成するワークショップ形式を行うことが有効です。継続的な取り組みにするためにも、まず小さい範囲から始め、プロジェクト化して議論・実行のための時間を確保することが成功の鍵となるでしょう。

(前編はこちらから)

話し手
小峯 悠司
株式会社スタディスト
リーンソリューション事業部 部長

早稲田大学卒業後、コンサルティング企業にて中期経営計画の立案や業務改善など、クライアントの経営課題の解決に7年半従事。 2020年に株式会社スタディストに参画後はカスタマーサクセスにてTeachme Bizの導入・活用支援、社内オペレーションの改善を担当した後、現職に至る。 現在はお客様の生産性向上に向けて、コンサルティングサービスの開発・提案・提供を行う。