
インド進出形態と現地法人設立手続き
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インドは世界第1位の14億人以上の人口を有し、GDPにおいても今後3~5年以内にドイツと日本を抜き、世界第3位の経済大国となると予測されている。また、近年、日本企業によるインド進出への関心が急速に高まっている。本稿では、同国への進出形態と、最も多い進出形態である現地法人の設立方法について説明する。
目次
1. 進出形態
外国人投資家がインドに事業拠点を設立する場合の進出形態の選択肢は以下の通りである。
(1)現地法人の設立
(2)支店の設立
(3)プロジェクトオフィスの設立
(4)駐在員事務所の設置
(1)現地法人の設立
現地法人は、会社法(Companies Act, 2013)にて、以下の3種類の形態が定められている。
①株式有限責任会社(会社法2条22項):株主は、定款に規定された引受資本の額を限度として責任を負う。
②保証有限責任会社(会社法2条21項):出資者は、会社が清算する場合に、定款に定めた額を限度として会社の債務に対して責任を負う。
③無限責任会社(会社法2条92項):出資者は、会社の債務に対して無制限に責任を負う。
①~③の中で、最も一般的な法人形態は①株式有限責任会社である。
株式有限責任会社は、さらに非公開会社と公開会社の2種類に分類される。非公開会社とは、付属定款上、(a)株式譲渡制限の定め、(b)株主数(従業員を除く)を200名以下に限る旨の定め、(c)有価証券の公募を禁止する旨の定めがある会社を指す(会社法2条68項)。公開会社は、50万ルピー以上の払込済資本金を有し、非公開会社に該当しない会社を指す(会社法2条71項)。
(2)支店の設立
支店は、外国企業の支店であり、製造や加工事業を行うことはできないが、法令の範囲内で営業や商業活動を行うことは可能である。
(3)プロジェクトオフィスの設立
プロジェクトオフィスは、建設、土木工事、インフラストラクチャー工事などの特定のプロジェクトのために設立され、当該プロジェクトの終了後に撤退することが前提となる。
(4)駐在員事務所の設置
駐在員事務所は、投資環境の情報収集や市場調査を行うことを目的として設立されており、営業や商業活動を行うことはできない。
2. 現地法人の設立手続き
現地法人の設立手続きは、概ね以下のような流れとなる。
(1)現地法人の取締役となる者のための申請
現地法人を設立するにあたり、取締役となる者がまず以下を取得する必要がある。
①基本税務番号(PAN:Permanent Account Number)
②電子署名証書(DSC:Digital Signature Certificate)
③取締役識別番号(DIN:Director Identification Number)
(2)ネームサーチおよび商号申請
希望商号は最大6つまで申請することができる。既存の会社の登録済み商号と同一または類似するもの、あるいは商標を侵害する商号の登録は認められない。
(3)会社設立登記申請
企業省(MCA: Ministry of Corporate Affairs)に申請を行う。所定のフォームに加え、基本定款および附属定款を作成して提出する必要がある。基本定款には会社の商号、種類、目的、資本金等を規定し、附属定款には、株式、株主総会、取締役会等の会社運営に関する事項を規定する。
(4)第1回取締役会の開催
設立登記後30日以内に開催する必要があり、監査人を選任しなければならない。その他、銀行口座の開設など事業開始に必要な事項についても決議を行う。
(5)銀行口座の開設
(6)資本金の送金
(7)株式の割当て
設立登記後60日以内に株式を割り当てる必要がある。これまでは紙の株券により株式を発行していたが、有価証券の電子化に関する規則の公布・施行により、2024年10月1日以降、外国法人を親会社とする現地法人は、株式を電子化された方式で発行しなければならない。この変更に伴い、株主(インド国内外問わず)は電子化された株式を保有するためのDemat口座を開設する必要がある。
(8)事業開始の届出
設立登記後180日以内に、会社登記局(ROC: Register of Companies)に提出しなければならない。
(9)直接投資の報告書の提出
株式発行から30日以内に、インド準備銀行(RBI: Reserve Bank of India)に提出しなければならない。
(10)GST(Goods and Service Tax)番号の申請









