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法人税計算における税務調整と追加控除

法人税計算における税務調整と追加控除

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本記事では、12月決算の在タイ日系企業が2月に実施すべき期末本監査への対応として、監査実査の終了から監査報告書の発行までの流れを説明します。また、法人税の計算にあたり、財務諸表上の「利益」とは異なる「課税所得」を求めるための税務調整や追加税額控除について詳しく解説します。

【TODO】2月にやるべき業務

期末本監査への対応(12月決算会社)

前回お伝えした通り、12月決算の会社における監査は、①期末処理(諸引当金の計上、期末をまたぐ取引の処理、税金計算等)→②帳簿の締め→③監査対応(期末監査実査への対応、諸確認書の徴求等)といったステップを踏み、最終的に監査報告書を作成する流れとなります。今回は、監査実査の終了から監査報告書の発行までの典型的な手順を簡単にご紹介します。

 

1. 監査人との実査結果報告会の実施

実査が終了すると、通常は監査人との間で監査結果に関する報告会が開催されます。ここでは、監査人から問題点や経理体制に対するコメントなどが提示されるのが一般的です。報告会が行われない場合もありますが、自社の経理・会計の状況を把握する良い機会ですので、ぜひ監査人に開催を依頼してみてください。

2. 財務諸表ドラフトおよびマネジメントレターの発行

監査人から、財務諸表(ドラフト版)とマネジメントレターが発行されます。財務諸表のドラフト版については、内容を再確認した証として署名し、監査人に提出します。また、監査人が経営者に認識してもらいたい事項がある場合は、マネジメントレターが発行されます。対応が求められる事項がある場合には、会社側がコメントを付して監査人に提出することが一般的です。この手続きにより、会社と監査人の双方が財務諸表を確認したとみなされ、最終的に監査人が財務諸表について意見を表明した「監査済財務諸表(Audited Financial Statements)」が発行されます。

 

法人税計算

財務諸表から計算された利益に対して法人税を納めるためには、課税所得を求める「税務調整」を行う必要があります。税務調整には、加算(益金算入・損金不算入)や減算(益金不算入・損金算入)などがあり、さらに過去の損失の繰越や、場合によっては税務署からの納税金額修正が影響することもあります。いずれにせよ、財務諸表上の「利益」と税務上の「課税所得」には差が生じるため、この課税所得をもとに算出した法人税額を財務諸表の「未払法人税(当期法人税)」に計上することで、財務諸表が確定することになります。

【TOPICS】法人税計算における課税所得について

先のTODOでも触れたとおり、法人税額は「課税所得」をもとに算出されます。以下では、課税所得を求める上で必要な税務調整の主な項目と、今年適用されている追加税額控除についてご説明します。

1.主な税務調整項目

税務調整が必要となる主な項目は以下のとおりです。

(1) 加算項目

利益に対して課税所得が大きくなるように調整するもの

・益金算入:前受金受取、無償譲受など

・損金不算入:減価償却超過分、交際費の限度超過分、諸引当金計上、損金計上できない支払い(例:事業目的外とみなされる支出)など

 

(2) 減算項目

利益に対して課税所得が小さくなるように調整するもの

・益金不算入:BOI(投資促進委員会)などの優遇措置がある利益、受取配当など

・損金加算:追加費用控除額など

 

税務調査が入ると、上記の加算・減算項目がすべて精査されます。特に加算項目は、直接的に税額の増加につながるうえ、適用条件が明確な減算項目と比べて企業側の見落としリスクが高いため、十分な注意が必要です。

 

2.損金加算の追加税額控除

今年度、損金加算の追加税額控除として利用できる代表的な制度は以下のとおりです。

 

(1)   e-Donationによる寄付金

歳入局では「e-Donation」と呼ばれる電子寄付システムを導入しています。このシステムの普及と対象団体への寄付促進のため、システムを通じて「森林振興局」「赤十字社」「教育機関」「スポーツ振興」「産業開発振興基金」などに寄付を行った場合、寄付金の損金算入額について100%~200%の追加控除が認められています。

 

(2) 雇用関係費用の追加控除

障害者やターゲット産業分野における高度技術者の雇用、従業員の研修費用(認定を受けたもの)などに対して、追加控除が認められています。

 

(3) デジタル自動化投資関連費用の追加控除

e-TAX導入に伴う設備投資や自動化投資に対しても、100%~200%の償却費追加控除が認められています。

 

追加控除は年度ごとに内容が変わる場合も多く、見落としやすい項目でもあります。そのため、税務計算の際には専門家などによるレビューを受けることも有効な手段です。

執筆者
小出 達也
Forvis Mazars (Thailand) Ltd.
Japan Desk Partner

1987年京都大学法学部卒業。日系メガバンク勤務の後、会計士資格を取得。2008年にマザー・タイランドのJapan Desk責任者に就任した。現在は、フォルビスマザー・タイランドのパートナーとして、企業財務に関する豊富な実務経験をもとに、タイ進出企業のサポートを行っている。

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Forvis Mazars (Thailand) Ltd.

Forvis Mazarsはフランス発祥のグローバルTOP10に入る国際的な会計事務所グループ。タイ事務所は1999年に創業し、現在約350名のスタッフを抱え、監査、記帳代行、税務対応、法務、M&Aなど多彩なサービスを提供している。多国籍企業を中心に約1,500社以上と取引があり、特に日系企業向けにはジャパンデスクがワンストップで全サービスに対応している。