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タイで工場・物流用地を探すポイント

タイで工場・物流用地を探すポイント

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タイで工場や物流用地を探す際には、日本とは異なる特有の要素や注意点が数多くあります。適切な立地選定は、事業の効率化やコスト削減に直結するため、事前に現地の状況を十分に理解し、戦略的に選ぶことが重要です。本稿では、タイで工場・物流用地を探す際に知っておくべきポイントを詳しく解説します。

立地条件とアクセスの重要性

まず、工場・物流用地を探す際に最も重要なのが立地条件です。タイは東南アジアのハブとして、物流や輸出入に適した地理的位置を持っています。その中でも、バンコクや東部経済回廊(EEC)といった地域は、多くの工業団地が集中しており、輸出入や国内物流に適した場所です。特に、図表1のポイントを考慮して選ぶことが重要です。図表1 立地選びのポイント

インフラ整備と周辺環境

工場や物流拠点を運営する上で、インフラの整備状況は欠かせない要素の一つです。特に電力供給、水道設備、排水施設、通信インフラの整備状況を確認することが重要です。IEAT工業団地では、これらのインフラが安定的に供給される体制が整っているケースが多いため、安心して事業を展開できます。

近年、工業用地のニーズが高まる中で、不動産開発の経験が少ない企業が工業系不動産市場に新規参入するケースも増えています。しかし、工業団地の開発は単に土地を購入し、造成して売却するだけのビジネスではないため、このような新規参入企業の開発物件を検討する際には特に注意が必要です。

工業団地の開発には、長期的な視点に立ち、盛り土造成や地盤の強化、安定したインフラの供給体制を維持する責任があります。しかし、経験の少ない企業が開発する場合、こうした基本的な基準を満たさず、コスト削減を優先するケースもあります。その結果、運営の継続が困難になる可能性があります。開発企業が運営を放棄したり、倒産することも考えられます。そのような場合、インフラ供給の不安定化や事業の継続が困難になることもあるため、事前の調査が必要です。

そのため、誰が開発した工業団地・物流用地であるのかという視点を持ち、開発企業の信頼性や運営の継続性をしっかりと見極めることが、将来の事業リスクを回避する上で重要です。

また、労働力の確保も重要なポイントです。工業団地や物流拠点周辺に労働者が住める住宅地や、通勤しやすい交通手段が整っているかを確認する必要があります。特にミャンマーやカンボジアの人材を取り込むケースも増えており、専門の派遣会社や人材紹介会社と情報交換することをお勧めします。

IEAT工業団地と非IEAT工業団地の選択

本連載の第4回目でも解説しましたが、タイの工業団地は、「IEAT工業団地(タイ工業団地公社運営)」と「非IEAT工業団地(民間運営)」の2種類に分かれます。それぞれの特性を理解し、自社に最適な土地を選ぶことが大切です。

IEAT工業団地

タイ工業団地公社(IEAT)が運営する工業団地では、税制優遇措置や輸入関税の免除、土地の所有権取得など、多くの特典が得られます。また、IEATはワンストップサービスを提供しており、手続きの効率化や許可取得がスムーズに行える点も魅力です。

非IEAT工業団地

民間企業や地方自治体が運営する工業団地は、IEAT工業団地に比べて土地価格が若干安い場合があります。ただし、行政手続きがIEATよりも複雑であるため、事前に十分なリサーチが必要です。

どちらを選ぶにしても、IEATやBOI(タイ投資委員会)によるサポートや優遇措置を受けるには、条件を満たす必要があります。専門家に相談しながら進めるとスムーズです。

土地の購入とリース契約

タイでは外国企業が土地を所有することは基本的に制限されています。そのため、多くの場合、IEATかBOIの恩典を活用して工業団地や物流用地を購入するか、またはリースすることになります。土地のリース契約を検討する際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

・リース期間:
タイでは、一般的に3年を超えるリース契約には登記が義務付けられています。また、リース期間の最長は30年です。条件次第でさらに30年延長可能な場合もあります。長期的な事業計画を持つ場合、リース期間や更新条件をあらかじめ確認しておくことが重要です。

・リース料金:
土地のリース料金は、立地やインフラの整備状況、工業団地の種類によって異なります。タイでは土地のリース契約事例がまだ多くないため、購入と比較して割高となるケースも散見され、注意が必要です。

・契約条件:
土地のリース契約には、利用目的、建設許可、施設の改修・増築に関する条件が記載されています。特に、リース期間中のリース料の上昇設定や途中解約条項、解約時の引渡し方法については、十分に注意する必要があります。

現地視察と専門家の活用

タイでの工場・物流用地の選定においては、現地視察が非常に重要です。事前にリサーチした情報だけでは確認しきれない要素が多く、実際に現地を訪れることで、インフラの整備状況、周辺環境、交通アクセスの実態を把握できます。例えば、資料では「整備済み」となっているインフラが、実際には未完成だったり、計画だけで実行されていないケースもあります。そのため、現地視察を通じて、事業に適した環境であるかどうかを慎重に見極めることが不可欠です。

また、専門家の活用もスムーズな土地選定のためには欠かせません。タイの不動産市場には、政府の優遇措置、契約手続き、税制面など、考慮すべき多くの要素があるため、最新の土地情報や優遇措置、契約に関するアドバイスを提供できる専門家を活用することが望ましいです。

しかし、専門家を選ぶ際には十分な取引実績と経験があるかを慎重に確認する必要があります。不動産市場には、売主と買主を単にマッチングするだけで、契約や実務に関する知識やサポート能力が不十分な仲介者も存在します。こうした仲介者に依頼すると、契約手続きの不備や、必要な許認可の取得ミスなどが発生する可能性があるため注意が必要です。

まとめ

タイで工場や物流用地を探す際は、立地条件、インフラ整備、工業団地の種類、契約形態を総合的に検討することが重要です。日本と異なる環境下では、港湾・空港アクセス、交通網、開発企業の信頼性、そしてIEATと非IEATの特性を理解した上で判断する必要があります。現地視察や専門家のサポートを受けながら、自社に最適な土地を選ぶことで、タイでの事業展開を成功に導くことができるでしょう。

次回は、タイで工場や倉庫を取得する際の注意点について詳しく解説します。

執筆者
高尾 博紀
GDM (Thailand) Co., Ltd.
代表取締役社長

「タイで最も土地取引を行う日本人」として、工場・物流施設やホテル・オフィスなどの事業用不動産の取得支援を行い、これまでのタイ国内での取引実績は150万㎡を超える。早稲田大学商学部卒業。2011年GDM (Thailand) Co., Ltd.を創業。

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GDM (Thailand) Co., Ltd.

土地・建物事業、オフィス物件事業、空間デザイン事業の3つの事業部で構成され、タイ・バンコクで設立から10年を超える。それぞれの分野には、日本人とタイ人スタッフのプロフェッショナルが在籍しており、各事業のレベルアップを図る「縦軸」と、事業横断的にサービスを展開する「横軸」によるシナジーを実現し、クライアントファーストのサービスを提供している。