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ベトナム採用の常識が変わる!「組織内行動特性」で見抜く即戦力になる人材とは

ベトナム採用の常識が変わる!「組織内行動特性」で見抜く即戦力になる人材とは

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「人材確保が難しい」「定着率が低い」「期待通りのパフォーマンスが出ない」……。ベトナム進出企業が直面する人材課題は尽きません。

そこで今回は、採用から育成、定着までの一連のプロセスを効果的に構築・運用するための実践的ノウハウをお届けするセミナー「ベトナム人材のつまずきゼロを実現!次世代型採用と組織開発の設計図〜数々の実例から導く、採用・育成と早期戦力化のシナリオ〜」を開催しました。

本セミナーでは、適性検査を活用した採用ミスマッチの防止、ベトナム人材の特性を踏まえた組織開発、そして効率的な教育システムによる早期戦力化など、持続的な企業成長を実現する方法を解説。

ベトナム市場での豊富な経験と実例から導き出された、具体的施策とその実装方法とは――? Viecoi Co.,Ltd. Directorの安濟彰氏に登壇いただき、ベトナム人従業員が活躍しない理由や早期離職を防ぐ方法、そして採用時に見極めるべき「組織内行動特性」について伺いました。

頭を抱えた…ベトナム人応募者の履歴書の中身

Viecoi Co.,Ltd. 安濟 彰氏(以下、安濟):私は10年間、ベトナムで人材紹介事業を展開しています。2023年から開始したオンライン適性検査サービス「PandaTest」は、東南アジアで累計15,000人もの方に利用していただきました。

今回、「データでわかるベトナム人従業員が活躍しない理由と、辞めてしまう人を減らす方法」をテーマにお話ししますが、まずは私のベトナムでの大変だった経験からお話しさせてください。

ベトナムで人材を採用するときにいつも困っていたのは、応募者の履歴書の情報が非常に薄いことでした。日本のように詳細な職務経歴書が揃うことはほとんどありません。情報が少ない中で、たった30分ほどの面接だけで採用を決めるのは、会社にとって大きな負担でした。

さらに、採用しても短いと2〜3ヶ月で辞めてしまうことが続き、かけた労力が全て無駄になる経験を何度もしました。

弊社の調査では、ベトナムで新しく採用した人材の20%~30%が1年以内に辞めてしまうという現実があります。つまり、10人採用すると、2〜3人はすぐにいなくなってしまうのです。

加えて、採用した新入社員の約50%が、会社が期待するような働きができていないというデータもあります。採用した人材が最大限の力を発揮してくれるのが理想ですが、期待通りの働きができないのは、会社にとって大きな損失です。

人の能力を「機能レベル」と「最適レベル」に分けて考える

安濟:採用した人がどれだけ力を発揮できるかは、周りの環境で変わります。だからこそ、「周りから支援を得る力」が大切です。

そこで私は、人の能力を「機能レベル」と「最適レベル」の2つに分けて考えています。

能力は環境によって上下するからこそ、周りからの支援を得る力が必要

「機能レベル」とは、その人が一人で自然に出せる能力のことです。「最適レベル」とは、その人が持っているスキルに加えて、周りの助けがあったときに最大限に発揮できる能力のことを指します。「一人でできること」と「人の助けを得ればできること」の間には大きな発達のチャンスがあると言えます。

日本の管理者は、経験豊富なベテラン社員や管理職の人ほど「放っておいても大丈夫だろう」と考えがちです。しかし、能力の高い人ほど、「最適レベル」を高めるために、周りからの手厚い支援が必要です。私は履歴書や面接での「一人で出せる能力(機能レベル)」だけで採用することを「ジャケ買い採用」と呼んでいますが、これは避けるべきだと思っています。

「機能レベル」と「最適レベル」の両方を伸ばすためには、その基礎となる能力を見極めることが大切なのです。

スポーツの世界でも注目されている視点

安濟:私たちが向き合うべき課題は、「すぐに辞めてしまう人を減らすこと」と「入社した人が最大限の力を発揮できるようにすること」の2点です。これらは、ビジネスの現場だけでなく、スポーツの世界でも注目されています。

向き合うべき課題

例えば、イングランドのブライトンFCは、年間5億円をデータ分析ツールに投資し、若手選手の発掘・育成に活用しています。彼らは、選手の練習以外の時間、つまり人としての考え方や心のあり方まで分析していると言われています。

Jリーグでも、本田圭佑選手や岡崎慎司選手など、2005年に入団した選手たちを10年間追跡調査したところ、他の年代の選手と比べて、技術や身体能力には大きな差がなかったものの、「傾聴力(人の話を聞く力)」や「視聴力(状況を理解する力)」といった、内面的な部分に違いがあったと報告されています。

採用する側は、候補者の「傾聴力」や「視聴力」を面接の段階で感じ取れると思います。ですが、入社後に「面接の時と全然違う」「思っていたのと違う」といった状況になるのは、ベトナムでの採用ではよくあることです。このギャップが生まれる原因は、候補者が抱える誤解や勘違いなどにあると考えられます。

例えば、候補者がこのような誤解をしているケース。

「自分の評価は自分で決められる」
「会社が自分のモチベーションを高めてくれる」
「自分ができないことを部下に指示する上司はダメだ」

そもそもモチベーションというのは、行動した結果として自然に生まれてくるもので、他者から与えられるものではありません。これはベトナムに限らずよく起こることです。このような誤解を抱えたままだと、たとえ個人の能力が高くても、組織の中では活躍しにくくなるでしょう。

見極めるべきは、「組織内行動特性」

安濟:採用において最も大切なのは、「組織の中で活躍できるかどうか」という「組織内行動特性」を見極めることです。長い目で見れば、この「組織内行動特性」が、ベトナム人従業員の可能性を最大限に引き出すカギとなります。

人を見る際の階層モデル(氷山、アイスバーグモデル)

しかし、短い面接時間でこれらを見抜くのは難しいのが現状です。通訳を挟んだり、ベトナム人の方が面接に慣れていたりすることも、判断をさらに難しくしています。

当社の「PandaTest」は、組織の中での行動特性であるコンピテンシーをグラフで表示し、日本語・ベトナム語・英語でリアルタイムに数値化しています。東南アジアの企業にこのサービスを2年間ほど使っていただくと、色々なことがわかってきました。

例えば、日本人とベトナム人のスタッフ層を比べると、日本人は「行動を優先する意識」や「傾聴力」、「他者評価意識(人からどう評価されるかを気にする意識)」が特に高いことがわかりました。
一方で、ベトナム人の方が高い部分も見受けられました。それは次の4つの項目です。特に一般のスタッフ層と比べて管理職層では「問題解決行動」「成果へのコミットメント」「行動を優先する意識」「他者評価意識」において、有意な差が見られました。これは、ベトナム人の中で管理職に上がっていく人材の特性とも、言えるでしょう。

まとめ

ベトナム人材の採用においては、個人の能力だけでなく、周囲の支援によって最大限に発揮される潜在能力を見極め、それを引き出すための支援が不可欠です。組織内で高いパフォーマンスを発揮する「組織内行動特性」に着目し、従業員の可能性を最大限に引き出すことが重要となるでしょう。
次回は、ベトナムにおける人事制度の課題と解決策、そして自社に合った評価制度についてご紹介します。

話し手
安済 彰
Viecoi Co.,Ltd
Director

PandaTest開発者 学生起業、DMM.comを経て来越し起業、人材紹介事業からスタートし累計1,000社様ご支援。 2023年からオンライン適性検査を開始し東南アジアにて100社以上が導入し、総受験者数1万人突破。