
タイのVISAと労働許可証
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4月から新たにタイで勤務を開始された方も多いのではないでしょうか。赴任直後は業務が多忙になりがちで、VISAおよび労働許可証の管理はタイ人従業員に任せるケースが多いかと思います。今回より、タイにおけるVISAおよび労働許可証に関する確認事項と留意点について解説していきます。
目次
VISAの種類
タイでのVISAは、入国および滞在目的に応じて、就労、観光、留学、ロングステイ等、様々な種類があります。就労目的での滞在、およびその家族が帯同する場合には以下のVISA取得が必要となります。
就労VISA(NON-IMMIGRANT B/IB EMPLOYMENT)
タイで就労を目的に入国および滞在する場合には、就労VISAの取得が必須となります。ただし、タイではVISAを取得しただけでは就労は認められておらず、別途、労働許可証(WORK PERMIT)の取得が必要です。就労VISAの新規取得時の滞在可能期間はタイ入国後90日であり、それまでに更新が必要となります。初回更新後も、タイでの就労期間中は所定の期限ごとに更新手続きが求められます。
就労者家族VISA(NON-IIMIGRANT O)
タイで就労する家族に帯同して入国・滞在する場合には、就労者家族VISAの取得が必須となります。対象となるのは、就労VISA保有者の配偶者または子どもであり、滞在可能期間は就労VISAと同様に入国後90日です。その後も、家族帯同中は継続的に更新が必要となります。なお、就労者と同日に入国する場合と、別日に入国する場合とで、申請時に必要な書類が異なる点に注意が必要です。
入国前の手続き
(1)VISAの取得申請
新規VISA取得時は、原則として在外タイ大使館での取得が必要です(本稿ではタイ国内での新規取得は割愛)。以前は各国のタイ大使館窓口にて申請書類およびパスポートを提出し、VISA発給後に受領する流れでしたが、2025年1月1日よりオンライン申請(THAI E-VISA)および電子VISA(確認書)の発給方式に変更となりました。
在日タイ大使館での新規取得時も同様にオンライン申請が必要となり、現住所により以下の3箇所のいずれかでの申請となります。
• 在東京タイ王国大使館
• タイ王国大阪総領事館
• 在福岡タイ王国総領事館
大使館窓口まで出向いて申請・受領する必要はなくなりましたが、審査状況により、発給までの所要日数は原則15営業日以内とされています。ただし、追加書類の提出を求められた場合などは、審査に時間を要することもあるため、タイ入国日の約1ヵ月前を目安に、十分な余裕をもって申請することをおすすめします。
入国後の手続き
(1)労働許可証(WORK PERMIT)の取得
タイではVISAのみでは就労できず、入国後に労働許可証(WORK PERMIT)を取得する必要があります。許可証の有効期間は発給日から1年間で、タイでの就労期間中はVISAと同様に更新が必要です。なお、VISAと労働許可証は連動しており、どちらかが失効すると、もう一方も失効となるため、両者の期限管理が重要です。
(2)再入国許可証(RE-ENTRY PERMIT)の取得
タイのVISAは出国した時点で失効するため、出国予定のあるVISA保有者は再入国許可証(RE-ENTRY PERMIT)の取得が必要です。取得方法は「シングル(1回のみ出入国可)」と「マルチプル(複数回出入国可)」があり、VISA残存期間内のタイ出入国回数を考慮して選択します(図表2)。
取得場所はタイ国内のイミグレーションまたは国際空港となります。申請費用を考慮した場合、VISA残存期間中に4回以上出入国をされる場合はマルチプルを推奨します。再入国許可証の取得なしにタイを出国するとVISAと労働許可証がともに失効するため、出国前に必ず取得してください。
(3)90日レポート(居住地報告)の提出
タイに90日以上連続して滞在する外国人は、居住地の報告義務があります。初回のVISA更新後から報告が必要となり、タイ国内のイミグレーションまたはオンラインでの提出が可能です。
報告期限は、期限日の15日前から7日後までの間です。代理人による提出も可能ですが、期限を過ぎると本人の同行と罰金が必要になります。なお、報告期限前にタイを出国した場合は滞在日数がリセットされ、タイへの再入国日から新たに起算となり、次回報告期限日が変動する点にも注意が必要です。
まとめ
タイでのVISAおよび労働許可証の申請・管理は、タイ人従業員や外部専門家に委託されるケースが多いかと思いますが、仮に失効した場合には再取得の手続きが必要となり、90日レポートの遅延には罰金も発生します。各種期限や再入国許可証の取得状況などは、自身でも管理いただくことを推奨します。











