
タイFDA 美容・化粧品の製品登録
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前回は、医療機器のFDA製品登録について説明しました。今回は、美容・化粧品のFDA製品登録について解説します。タイにおける美容・化粧品の定義や製品登録時に最初に確認すべき事項、さらに弊社が対応した過去の製品登録事例も併せてご紹介します。
目次
美容・化粧品の定義
タイでの美容・化粧品は「化粧品法(2015年)」に基づき定義されています。前回説明した医療機器と同様、その定義は日本や他国と異なる点があるため、輸入または製造予定の製品がタイで美容・化粧品に該当するかを確認する必要があります。以下に、確認時のポイントと合わせて紹介します。
「人の身体の上に塗布、拭う、マッサージ、噴射、噴霧、さす、かける、蒸す、またはその他の方法にて使用することを目的とする物質。歯及び口腔内粘膜に使用して、清潔及び良い状態を維持、保護するために使用することを目的とする物質。」
(タイ国化粧品法第4条1項)
(1)管轄部署
日本や他国では美容・化粧品と定義されている製品が、タイでは用途や含有物質により医療機器や医薬品として定義される場合があり、注意が必要です。
例えば、歯用ホワイトニング製品は「過酸化水素」の配合量に応じて、美容・化粧品または医療機器として分類が異なり、それぞれの管轄部署が定める要件に基づいた申請書類の対応が必要となります。
また、日本や他国で美容・化粧品として定義されていない製品が、タイでは美容・化粧品とみなされる事例もあります。そのため、事前に製品カテゴリーの照合を行うことが非常に重要です。
(2)用途
タイでは、美容・化粧品は表皮、髪、爪、唇などの身体のあらゆる部分、または歯や口腔内粘膜を対象とし、洗浄、香りづけ、外見の変化、あるいは身体の匂いを直す目的で使用される製品と定義されています。
例えば、ボディウォッシュ用の紙製品や、マッサージ時やネイル施術時に使用される塗布製品も、美容・化粧品に該当します。
(3)構成物
「化粧品を製造するために使用する物質。」(タイ国化粧品法第4条2項)
「省令で化粧品と定めるその他の物質。」(タイ国化粧品法第4条3項)
美容・化粧品の構成物を製造または輸入する場合も、各種許認可の取得が必要となる可能性があります。対象は完成品に限らない点に注意が必要です。また、FDA規定に基づき、使用が禁止されている物質や含有量の制限があるかどうかを事前に確認することが重要です。

美容・化粧品の輸入製品登録
美容・化粧品の製品登録は、他の管轄製品と同様にFDAのオンラインシステムを通じて申請します。オンライン申請が導入される以前は窓口での申請が必要で、書類の準備やFDAへの訪問が求められていましたが、現在は以前と比較して手続きが非常に容易になっています。
ただし、製品によっては必須書類に加えて追加資料の提出が求められる場合もあります。製品登録時に必要な書類と審査時の留意事項は以下の通りです。
① 成分表
当該製品の成分名称および配合量を100%開示した上で、製造者が発行した証明書(Certificate of Manufacture)の提出が必要です。製品成分情報が非開示の場合、FDA製品登録は不可となります。
美容・化粧品の場合、自社で製品を企画・開発し、製造を外部に委託する事例や、他社製品をタイで販売する事例が多く見られます。しかし、自社製品でない場合、製造者から成分情報の開示および関連書類の発行について事前に合意を得ることが必須です。
② 第三者機関書類
含有成分によっては、第三者機関から書類提出を求められる可能性がある点にも留意が必要です。
弊社で対応した製品登録の事例では、プラセンタを含む製品に対してBSE関連証明書の提出を求められたり、UVケア製品に対してSPFおよびPA評価資料の提出を要求されたりするケースがありました。その際、原材料メーカーから必要書類を取得するほか、新規に試験レポートを作成する必要が生じる場合もあります。こうした指摘事項に応じて随時対応する心構えが重要です。
③ 製品ラベル
FDA規定に基づき、タイ語での製品ラベル作成が必須となります。製品名、含有成分、使用方法、使用期限などの一般事項に加え、含有成分によっては警告文の表示義務があるため、該当製品の表示要件を事前に確認する必要があります。
また、製品や外箱にタイ語表記がない場合でも、別途ラベルを作成して貼付することで販売が可能です。
まとめ
タイで美容・化粧品の登録を行う際には、含有成分情報を100%開示できることが前提条件となります。開示が不可であるために製品登録を断念した事例も多く、自社で製造していない場合は、製造者に開示および関連書類の提供が可能かを確認することが最優先となります。
また、日本や他国で美容・化粧品と定義されている製品であっても、タイで同様に定義されているかを確認し、製品登録の準備を進めていただければと思います。









