
タイFDA 食品の製品登録
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前回は、美容・化粧品のFDA製品登録について説明しました。今回は、食品のFDA製品登録について解説します。食品は品種によってFDAの管轄外となるものもあり、特に、輸入実績のない食品は管轄官公庁の確認に時間がかかる可能性があります。具体的なプロセスや留意点について、詳しくご紹介します。
目次
食品関連管轄官公庁
タイで食品を輸入する際、品種により管轄官公庁が異なり、すべての食品がFDA管轄ではない点に注意が必要です。主な食品の管轄官公庁を図表1に示します。

最近お問い合わせいただいた中に、以下のようなケースがありました。
例)ペット用サプリメント
タイで輸入実績のない製品であったため、タイ官公庁の担当者から明確な回答が得られず、管轄官公庁の確認に時間を要しました。最終的に、本製品は「飼料」と解釈され、畜産局の管轄および申請対応が必要との結論に至りました※。
※本稿執筆時点での解釈および回答であり、今後、タイ国法令改定などにより管轄官公庁が変更となる可能性があることをご理解ください。
今回はFDAが管轄する食品の輸入製品登録について説明しますが、タイで輸入実績がない食品の場合、上記のように管轄官公庁の確認に時間を要する可能性がある点にご留意ください。
食品の輸入プロセス
FDA管轄の食品を輸入・販売する際は、まず輸入事業者および保管場所の登録を行い、その後製品登録を完了した上で、製品の輸入および国内販売を行う流れとなります。それぞれの登録時の留意事項は以下の通りです。
(1)輸入事業者および保管場所登録
輸入事業者および保管場所を同一所在地で登録する場合、事業所とは別に食品輸入用の保管場所を設置することが必要です。事業所内に倉庫などの保管場所がある場合は問題ありませんが、ビルや商業施設に入居している場合には、事業所内に扉付きの保管場所を設置するか、倉庫などを賃貸する必要があります。登録の際には保管場所に関する書類の提出が求められ、賃貸物件の場合は家主による書類提供の可否を事前に確認することが極めて重要です。
(2)製品登録
輸入事業者および保管場所の登録が完了した後、製品登録を行います。FDAでは図表2に示すように、消費者の健康や衛生に関するリスクに基づいて食品をカテゴリー分けしており、各カテゴリーによって登録時に必要な書類や情報が異なります。

そのため、輸入食品がどのカテゴリーに該当するかを事前に確認することが第一ステップとなります。製品登録における必要書類や留意点は以下の通りです。
① カテゴリー照合
カテゴリーは保健省告示により定義されています。必要書類や情報もカテゴリーによって異なるため、食品の種類だけで判断するのではなく、保健省告示による定義を確認し、FDA担当官にも確認することが推奨されます。なお、FDAオンラインシステム上で担当官にカテゴリー照合を依頼することも可能です。
②必要書類および情報
すべてのカテゴリーにおいて、食品成分表、製造工程表、製造施設証明書の提出が必須です。自社製品でない場合、製造者から成分の開示や関連書類の発行に関する同意を事前に得る必要があります。これらの書類や情報が提供されない場合、登録は不可能です。また、原材料の品質規格書の提出もほぼ必須であり、原材料製造者への発行依頼も必要です。
③含有成分
輸入製品に含まれる成分についても、FDAで登録済みであるかを確認する必要があります。未登録の成分が含まれる場合、その成分を新規登録しなければならず、成分登録にかかる期間や費用を考慮する必要があります。成分登録が必要な場合、製品登録の完了が長期化するほか、成分登録完了後は他社も同じ成分を使用することが可能になる点にも留意が必要です。近年発見された新規成分でこれに該当する事例が多発しているほか、日本や他国で一般的に使用されている成分がタイで未登録であることが理由で、製品登録を断念せざるを得ないケースも多く見られます。
まとめ
タイで食品の輸入登録を行う際は、FDA管轄他製品と同様に、必要情報を100%開示できることが前提条件です。また、成分登録の有無によって、製品登録完了までの所要期間や費用が異なる点も考慮が必要です。タイ国内には、生産設備や品質管理体制が国際基準を満たしている食品製造者も多数存在し、日本を含め各国へタイ産食品が輸出されています。そのため、輸入製品登録が困難な場合は、タイ国内の食品製造者への製造委託を検討することも一案かと思います。
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