
システム定着の鍵は「自学自習」にあり!教育工数を削減する定着化のコツ
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新しいシステムを導入することで、業務の効率化を進めたいと考える企業も多いのではないでしょうか。しかし、社内にシステムを浸透させる方法に研修や文字ベースの説明書を活用するだけでは、業務の効率化は思うように進みません。
システムの有用性を従業員に感じてもらうためには、ビジュアルベースのわかりやすいマニュアルを活用して「誰でも使える」状態を構築することが、デジタル投資を成果につなげる鍵となります。
本セミナーは、「デジタル投資成功の法則〜新手法への移行をスムーズに実現するには〜」と題して開催され、株式会社スタディストの元人事部長で現カスタマーサクセス本部/CSopsグループの坂野亜希子が登壇しました。
前編では、システムの社内浸透を妨げる要因と、それを改善するための「再現性の高い情報伝達」をすることの重要性についてご紹介しました。
後編では、スタディストが実践している説明会を開かずに進められるシステム導入の方法や、ビジュアルベースのマニュアルを活用した他社の成功事例を解説します。
(前編はこちら)
目次
説明会は不要?マニュアルを軸にしたスムーズな導入手法
株式会社スタディスト カスタマーサクセス本部/CSopsグループ・坂野亜希子(以下、坂野):当社は業務効率化を目指し、組織の状況やデジタル技術の進化に合わせたシステムの導入や入れ替えを積極的に進めてきました。
これまでに「勤怠管理」「人事管理」「経費精算」「電子契約」などの多種多様な業務にシステムを導入してきたという経緯があります。その一方で、スタディストでは各部署に大きな影響を及ぼしそうな規模の導入が予想される際も、社内でのシステム説明会をほとんど開いたことがありません。
その理由は、当社が提供するマニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」を活用し、わかりやすいマニュアルを整備したうえでスタートさせることが社内の標準スタイルとしてすでに定着しているためです。

坂野:システムを導入する際は、業務に支障が出ないように流れに沿って進めていくことが重要です。
まずは課題を発見し、課題解決のためのシステムを選定します。選定後は、新しいシステムをどの業務で運用するかの手順策定が必要です。マニュアルに落とし込み、教材として全社に配信し学んでもらうことで、スムーズな移行が実現します。
その際に、マニュアルが文字情報だけだと、従業員が自学自習の際に抵抗感を抱きかねません。
クリックの指示や具体的な操作を画像で説明すれば、ITに苦手意識を持つ人でも不安なく作業を進められます。ビジュアルベースのマニュアルは、隣に詳しい人がついて教えてくれるような感覚で操作を進められる再現性の高い情報伝達手段といえます。
勤怠システム切り替えもスムーズに!問い合わせを最小化する3つの秘訣
坂野:それでは、勤怠システムの切り替え事例をもとに、マニュアル活用のポイントを紹介します。
新システムの切り替え前には全社員へレクチャーコースを配信し、自学自習で学んでもらいました。どの社員がどのマニュアルまで閲覧し終えているかはリアルタイムで把握できるため、期日までに閲覧が進んでいない社員には個別にリマインドを送るといったフォローも行っています。
学ぶ側はマニュアルを見ながら操作を進められるため、切り替えに伴う問い合わせはほぼ発生せず、全員が期日通りに勤怠締めを完了し、スムーズに新システムへの移行を果たしています。
この事例から見えるマニュアル活用におけるポイントは3つあります。
まずは、システム展開前の準備としてマニュアルを整備したことです。新しいシステムへの心理的障壁をなくすため、必要な作業を迷わず実行できるようマニュアルを揃えました。
次に、説明会なしでも混乱なくシステムが移行するように、準備を怠らなかったことです。マニュアルを見ながら操作を進められる環境を整えたことで、従業員からシステムに関する問い合わせがほとんど発生しませんでした。
最後は、アップデートをすぐに反映したことです。全体周知の後に一部内容の変更が生じた際も、オンラインマニュアルのため該当箇所のみ即時に反映でき、再研修なしで周知が完了しています。

ビジュアルベースのマニュアル活用による成功事例
坂野:当社以外にも、ビジュアルベースのマニュアルを活用してシステム移行を効率化した企業は多数あります。今回はその中から2社をピックアップしてご紹介いたします。
1つ目はライフライン事業を営む企業の事例です。
同社では、業務用システム刷新の教育コンテンツとしてTeachme Bizを活用し、従業員数百名への集合研修をオンラインに置き換えることに成功しました。本来数日かかる研修がオンラインで完了したことで、時間的な負担と費用の軽減につながりました。
2つ目の事例は小売業の企業の事例です。
基幹システムのリプレースに合わせてマニュアルを作成し、店舗のタブレット端末で確認できる環境を整備しました。現場スタッフが直感的に操作でき、困ったときはTeachme Bizで検索して自己解決できるようになったことで、社内からの問い合わせが半減したとの報告を受けています。
いずれの企業も、以前は各店舗や拠点を巡回して勉強会を実施するスタイルを採用していましたが、システム導入のスピードが速まるなかで対応が追いつかなくなり、効率化を求めてTeachme Bizの活用を始めました。
その結果、両者とも研修にかかる教育時間の削減と問い合わせの大幅な減少という効果が得られています。また、マニュアルをアップデートするだけで常に最新の情報を全員に届けられる環境も整い、その後のシステム運用の定着につながっています。
失敗しないマニュアル作成術!初心者でも迷わない3つの設計ポイント
坂野:説明会なしでシステム導入を成功させるためには、マニュアルの整備にあたって、3つのポイントがあります。
1つ目は「学ぶべき」業務内容を可視化することです。
システムでやってほしい業務を一覧化し、伝えるべき作業を漏れなく整理します。この一覧化は、マニュアル化すべき内容の漏れをなくすためだけでなく、学んでもらう順番や優先順位を決めるうえでも重要なステップです。
2つ目は学びやすい学習コンテンツをつくることです。
そのコンテンツさえ見れば人に聞かなくても作業を完了できる、誰が見ても手順がわかるマニュアルに仕上げることが求められます。
3つ目は適切なプログラムを構築することです。
学ぶ人にとってわかりやすく、理解しやすいプログラムを設計してください。
しかし、自社のシステムに合わせたこれらの設計を社内だけで行うのは容易ではありません。そうした場合に活用できるのが、スタディストが提供する「システム導入支援サービス」です。
専任のコンサルタントが3つのステップを一括でサポートし、システムが浸透・活用される環境整備をお手伝いします。

コンサルタントが伴走する「システム導入支援」で確実に成果を出す
坂野:当社の「システム導入支援サービス」では、前述した3つのステップを専任のコンサルタントが一括で実行を支援することが可能です。
システム導入やリプレース時における学習プログラムの設計と構築を丸ごとサポートし、システムが浸透・活用される環境整備をお手伝いします。
具体的には、ベンダーが提供するシステムマニュアルや自社の業務要件をもとに、学習項目の可視化やトレーニングコースの設計、伝わりやすいマニュアルの作成、そしてプロジェクトマネジメントまでを一貫して支援します。
最終的にはマニュアルが完備された状態で新システムの活用を開始でき、説明会や問い合わせ対応の負荷を削減しながら、アップデート内容も即時反映できる体制が短期間で整います。
最後に、新POSシステムの全店向け研修コンテンツを本サービスで一括作成した小売業の事例を紹介します。
この事例では、POSマニュアル78本とトレーニングコース10本を作成し、約1,100名の従業員へのコース配信までをスムーズに完了しました。新しいシステムの導入の際には当社の「システム導入支援サービス」を活用しており、教育部分の設計と準備を当社に継続して委託していただいています。
質疑応答
Q1:ベンダーのマニュアルが分かりづらいため、自社でもマニュアルを作る必要性を感じています。分かりやすいマニュアルを作るコツを教えてください。
坂野:最も意識するべきポイントは「閲覧者視点」です。
マニュアルを見てシステムの使い方を理解し、実行する人の立場に立って作ることを大事にしてください。よく起こりやすいミスとして、導入担当者はシステムに詳しいため、つい前提を省いてしまいがちというものがあります。
誰が、いつ、どのようなときにマニュアルを見るのかをイメージしてから作りはじめれば、大きくズレることはないと思います。
Q2:ITリテラシーが高くないメンバーが多く、システムの導入や入れ替えに対して抵抗や面倒といった声が挙がります。受け入れやすい体制を作るにはどうすれば良いでしょうか。
坂野:なぜそのシステムを入れるのか、そしてそれを使う人たちにとってどのようなメリットがあるのかを丁寧に伝えることが大切です。
それに加えて、新しいやり方がそれほど難しくないとイメージしてもらえるよう、どんな人でも安心して使える環境を整えることが重要になってきます。マニュアルを見れば間違えることはないと思ってもらえれば、新しいシステムへの心理的な抵抗は和らぐはずです。
Q3:担当者がマニュアルを細かく書きすぎて、内容が膨大になったり、分かりにくくなったりしてしまうことがあります。コンテンツ設計をする際に初心者目線でどう作っていくのが良いか、気をつけるべきポイントを教えてください。
坂野:ポイントは主に2つあります。
1つめは作業の始点と終点を明確にすることです。「ここからスタートして、ここまでやったら完了」という区切りを明確にすることが、マニュアルを作るうえでの大前提となります。
2つめは曖昧な動詞を使わないことです。仕事に慣れているベテランは「確認する」「調整する」といった指示をしがちですが、初めて作業する人は「何を確認すれば良いのか」などの疑問を抱きます。
「ここをクリックする」「この欄に○○と入力する」など、具体的な行動が分かる動詞で表現することがとても大事だと思います。
まとめ
後編では、システム導入担当者の負担を軽減し、新システムの社内浸透を成功させるための手法について解説しました。
事例で示したように、再現性の高いビジュアルベースのマニュアルを整備すれば、スムーズなシステム移行が可能です。「どの業務」を「どのコンテンツ」で「どのプログラム」で学んでもらうか、そのための設計を適切に行うことが成功につながります。
自社だけでの設計が難しい場合は、当社でもサポートが可能です。システム導入支援サービスの活用をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。






