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インドにおける取締役・取締役会の要件と義務

インドにおける取締役・取締役会の要件と義務

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取締役は会社の意思決定を担う責任ある立場です。現地法人を運営する上で、取締役と取締役会の要件や義務を正しく理解しておくことは、健全な運営やリスク管理につながります。本稿では、インド会社法における取締役および取締役会の規定について、その概要を説明します。

取締役の選任・退任要件

公開会社は3名以上、非公開会社は2名以上の取締役を選任しなければなりません(会社法149条(1))。また、取締役のうち1名は前暦年に182日以上インドに滞在している必要があります(同条(3))。

取締役の選任は株主総会の普通決議によって行われます(会社法152条(2))。定款により、次の株主総会までの間、取締役会に追加の取締役の選任権限を与えることも可能です(会社法161条(1))。さらに、取締役会は、当該取締役が3ヵ月以上インドを離れる場合、代替取締役を選任することができます。ただし、その在任期間は元の取締役の任期を超えることはできず、帰国した時点で退任となります(同条(2))。

取締役会の承認の有無に関わらず、12ヵ月間に開催された全ての取締役会を欠席した場合、任期中であっても退任しなければなりません(会社法167条(1))。非公開会社は、会社法に定める欠格事由に加えて、定款で独自の退任事由を定めることも可能です(同条(4))。

図表1 取締役の人数および要件

取締役会の開催要件と決議事項

すべての会社は設立後30日以内に最初の取締役会を開催し、その後は120日を超えない間隔で、年4回以上取締役会を開く必要があります(会社法173条(1))。定足数は、取締役総数の3分の1または取締役2名のいずれか多い方となります(会社法174条)。

取締役会は、株主総会の権限とされる事項を除き、会社のあらゆる事項を決議することができます(会社法179条(1))。主な決議事項は図表2のとおりです(同条(3))。

図表2 取締役会の主な決議事項

取締役の義務

取締役は、会社・従業員・株主・コミュニティの最善の利益および環境保護のために行動しなければなりません(会社法166条(2))。

また、取締役が個人もしくは共同で2%以上の株式を有する法人や、自らが発起人・CEO・所有者である法人との間で契約を締結する場合には、利益相反取引として取締役会で利害関係を開示する必要があります。その際、当該取締役は決議に参加することはできません(会社法184条(2))。

利益相反取引規制に違反した場合、当該取締役は1年以下の禁錮もしくは5万ルピー以上10万ルピー以下の罰金、またはその両方が科されます(会社法184条(4))。

執筆者
松下 智宗
TNY Services (India) Private Limited
Manager、弁護士

2021年9月、九州大学法科大学院を修了。2024年1月よりTNY国際法律事務所佐賀オフィスにて執務を開始。2025年3月からはTNYインドに赴任し、現在までインド法に関する案件を担当している。

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