
インドネシアの外資規制
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インドネシアは、約2億7,000万人以上の人口を有し、世界第4位の人口大国である。物価や人件費の安さからも魅力的な市場といえるが、外国資本にはさまざまな制限があり、事業運営にはこれらの規制を正確に把握することが求められる。本稿では、インドネシアの主な外資規制について解説する。
目次
1. 出資比率に関する規制
外国資本が入る企業を設立する際、一部の分野では、インドネシア国内の中小企業や協同組合の保護を目的として、出資比率が規制されている。この規制を定めた一覧はネガティブリストと呼ばれる。図表1に、ネガティブリストに該当する主な項目を示す。

さらに、地理的表示を取得したコーヒー加工、バティック(チャップ)、木製建築資材、伝統化粧品、ヒト向け伝統生薬およびその原材料、伝統造船、メッカ巡礼旅行代理店、芸能団については、外資による事業運営が禁止されている。また、新聞、雑誌、メディア発行、民間・有料放送局は設立時に内資100%での設立が必須とされており、拡張後には、新聞、雑誌、メディア発行で49%、民間・有料放送局で20%まで外資の参加が認められている(大統領規則2021年第49号)。
2. 資本金に関する規制
インドネシアでは、1株でも外国資本が含まれる会社を設立する場合、最低払込資本金および最低投資金額として、土地および建物を除き100億IDR(2024年12月26日時点のレートで約9,750万円)以上が必要である。この要件は、KBLI番号と呼ばれる5桁の番号で規定される事業分野および事業活動の所在地単位で適用される(政府規則2021年第5号第189条)。
ただし、業界ごとに例外が存在する(図表2)。たとえば、卸売業では、複数のKBLI番号を取得する場合、5桁のKBLI番号の上4桁が異なるごとに100億IDRが必要となる。また、飲食業では、KBLI番号の上2桁が異なるごとに100億IDRが必要とされ、建設業では、1つのプロジェクトに対し、KBLI番号の上4桁が異なるごとに100億IDRの資本金を積み増す必要がある。さらに、製造業においては、1つの生産ラインで複数の異なる5桁のKBLI番号に該当する製品を生産する場合、1ラインにつき100億IDRが必要となる(政府規則2021年第5号第189条)。

3. 外国企業の土地の権利に関する規定
インドネシアでは、外国人および外国企業が土地の所有権を持つことはできない(基本土地法1960年第5号、第21条(以下「基本土地法)という)。一方で、国家または個人が所有する土地について、一定期間開発や利用を認める「利用権」、土地の上に建物を建設・保有する「建設権」、国家所有の農地を貸借して開発する「事業権」については、インドネシア国内で法人登録されている外国企業でも権利取得が認められている(事業権、建設権および利用権に関する政府規則1996年第40号、第2条、第19条、第39条)。
これらの権利を取得するには、政府の承認が必要であり、土地管理局(Badan Pertanahan Nasional)の管轄の下、地方事務所(Kantor Pertanahan)を通じて承認および登録が行われる(基本土地法第28条、第36条、第42条、土地登録に関する政府規則1997年第24号、第19条)。







