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インドの外資規制

インドの外資規制

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インドへの進出を検討する際、最初に確認すべき重要事項の一つが外資規制である。外国(日本)資本100%でインド法人を設立できるのか、あるいはインド資本を含める必要があるかによって、設立後の経営や事業方針が大きく変わる。本稿では、インドの外資規制について、その概要を解説する。

1. 外資規制の概要

インドは1991年の経済自由化政策導入以降、社会主義的要素を含む閉鎖的な経済体制から、外国投資を積極的に受け入れる方向へ転換した。2020年統合版FDIポリシー(Consolidated FDI Policy、以下「FDIポリシー」という)において、外国直接投資に関する規制が具体的に定められている。FDIポリシーでは、ネガティブリストとして外国直接投資が禁止または規制される業種や、業種ごとの投資認可手続きなどを規定している。

2. 外国投資が禁止されている事業

以下の事業は、外国投資が禁止されている。

 

①宝くじ(政府・民間宝くじ、オンライン宝くじなど含む)

②ギャンブル・カジノを含む賭博事業

③チットファンド事業

④ニディ会社

⑤譲渡可能な開発権の取引

⑥不動産事業または農家の建設

⑦煙草、葉巻、チェルート、シガロ、シガレットおよびその他の煙草代替品の製造

⑧原子力産業および鉄道事業などの民間投資が認められない分野

 

なお、上記⑥の不動産事業には、タウンシップの開発、住宅・商業施設、道路、橋の建設、および2014年SEBI(REIT)規則に基づき登録される不動産信託は含まれない。

3. 外国資本の比率の上限が設けられている事業

以下の業種については、FDIポリシーに基づく条件の下で一定の制限が設けられており、外国投資が100%まで認められない場合がある。

 

①石油天然ガス

②ブロードキャスティング

③印刷・出版

④民間警備会社

⑤通信サービス業

⑥小売業(複数ブランド)

⑦銀行業

⑧証券

⑨保険業

⑩年金

⑪電力取引

⑫民間航空業

⑬防衛機器産業

⑭医薬品

4. 認可手続き

FDIポリシーでは、外資の認可手続きとして、自動認可ルートと政府認可ルートの2種類を定めている。自動認可ルート対象事業では、資本金を送金した後、インド準備銀行(RBI)に届出を行うだけで手続きが完了する。一方、政府認可ルートの場合、ネガティブリストで定められた範囲を超える投資については、管轄官庁への事前申請が必要となる。図表1にセクターごとのFDI承認ルートを一部紹介する。

図表1 インドにおけるFDI承認ルート(一部)

5. 資本金規制および外国人雇用に関する規制

外国投資に対して最低資本金規制は設けられていない。ただし、特定の分野では出資比率に応じた最低資本金規制が適用される場合がある。また、外国人を1人雇用するためにインド人を一定数以上雇用しなければならないといった雇用に関する規制も存在しない。

執筆者
西谷 春平
TNY Services (India) Private Limited
Director、弁護士

2019年に立命館大学法科大学院を卒業後、同年に司法試験合格。21年よりTNY国際法律事務所大阪オフィスにて、マレーシア法案件を中心に執務を開始し、22年5月よりTNYマレーシアに赴任。23年6月よりTNYインドの立ち上げに携わり、現在までインド(グルガオン)に常駐しインド法案件を担当する。

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