
バングラデシュの労働組合とストライキ規定
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バングラデシュでは、職場に労働組合が設立されているケースは稀だが、賃上げや不当解雇を理由としたストライキは発生している。近年は、労働組合に関する労働法の規制が緩和される傾向にあり、今後は労働組合の設立や活動が推進されていくと予想される。本稿では、労働法における関連規定の概要を紹介する。
目次
労働組合の設立
バングラデシュの労働法では、すべての労働者(地域の監視員・警備員、消防隊員、秘書官を除く)と使用者に、労働組合(Trade union)の設立および加入の権利が認められている。ただし、労働組合を設立するには、事業所における労働者の20%以上の加入が必要など、一定の条件を満たす必要がある。
輸出加工区(Export Processing Zones、以下「EPZ」という)においても、労働者(地域の監視員・警備員、運転手、秘書官、暗号アシスタント、臨時労働者、調理人、事務職に従事する者を除く)は、Workers’ Welfare Association(以下「WWA」という)と呼ばれる労働組合を設立し、加入する権利を有している。ただし、設立には事業所における無期雇用労働者の20%以上の加入が必要である(EPZ労働法第94条(1)(2))。EPZでは、WWAの設立および加入が認められている労働者に「臨時労働者」が含まれていないため、「無期雇用労働者」の20%以上の加入がEPZにおけるWWA設立要件の一つになっている(EPZ労働法第114条)。
労働組合への加入
すべての労働者は、労働組合を設立し、労働組合の規約に従って自らの選択で加入する権利を有している(労働法第176条、EPZ労働法第94条)。ただし、複数の労働組合に所属することはできない(労働規則第167条(1)(2))。
EPZにおいては、1つの事業所に複数のWWAを設立することはできず、労働者は自らが雇用されている事業所のWWAにのみ加入することが認められている(EPZ労働法第100条、第102条(1))。
労働組合の執行委員会における女性労働者の割合
女性労働者が20%を占める組織においては、労働組合の執行委員会に、最低10%の女性組合員を含めなければならない(労働法第176条(e)、労働規則第169条(2))。
EPZにおいては、WWAの役員ポストの30%以上を、女性の無期雇用労働者が占めなければならない(EPZ労働法第94条(5))。
労働組合の登録
労働組合は、役員の情報、加入者の誓約書、規約などを提出し、組合長および事務局長の署名のうえ、政府に登録しなければならない(労働法第177条、第178条、EPZ労働法第95条(1)(2))。
労働争議
労働者や使用者は、労働争議が発生する可能性を認識した場合、話し合いを行うことが定められている(労働法第211条、EPZ労働法第124条(1))。事前の協議や調停、場合によっては仲裁を経ずに、ストライキを行うことはできない。
また、事業所が新設である場合や、外国人が単独または共同で所有している場合には、ストライキは生産開始から3年間禁止されている(労働法第211条(8))。EPZにおいても、製造開始から3年間はストライキが禁止されている(EPZ労働法第131条(9))。
これらの規定は、外国投資家にとって事業を円滑に進めるうえで好ましい規定ともいえる一方で、ストライキが法律に基づく手続きを経て実施されることは少なく、いずれにしても、持続的かつ安定した事業の遂行には、日常的な労使間の意思疎通と信頼関係の構築が不可欠である。
罰則規定
事前通知のないストライキなど、労働法に違反するストライキは違法とみなされ、罰則が定められている。
労働法では、違法なストライキを開始・継続・推進した労働者に対し、6ヵ月以下の禁錮もしくは5,000タカ以下の罰金、又はその両方が科される(労働法第294条(1))。また、違法なストライキへの参加を他者に扇動したり、その他推進した者にも同様の刑罰が科される(労働法第295条)。サボタージュを推進した者にも同様の罰則が適用される(労働法第296条)。
EPZ労働法においても、違法なストライキを開始・継続・推進した労働者には、6ヵ月以下の禁錮もしくは5,000タカ以下の罰金、又はその両方が科される(EPZ労働法第155条(1))。違反を繰り返した場合には、違反が継続する限り、1日につき2,000タカ以下の罰金が科される(同条(2))。また、違法なストライキへの参加を他者に扇動したり、資金を提供したり、その他推進した者には、6ヵ月以下の禁錮もしくは10,000タカ以下の罰金、又はその両方が科される(EPZ労働法第156条)。










