
バングラデシュの外資規制
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バングラデシュでは、外国投資に対する規制は少ないが、事業遂行に必要な許認可は、法律や規則だけでなく、随時発行される通知や通達で定められることも多い。そのため、事前調査と関係機関への確認が不可欠である。今回は、一般的な外資規制に加え、相談の多い物流業に関する外資規制を紹介する。
目次
1. 禁止業種および規制業種
国家産業政策(National Industrial Policy, 2022)では、4つの禁止業種と22の規制業種が定められている(図表1)。規制業種では、事業を行うために管轄省庁の承認などが必要となる。

2. 特定の業種に対する資本金に関する規制
(1)出資比率
外資の出資比率については、以下の制限が設けられている。
- C&Fエージェント:外資出資比率は40%まで認められている。
- 保険業:外資出資比率は60%まで認められている。
- 海外への労働者派遣業:ライセンスを取得するためには、申請会社の外資出資比率が40%以下でなければならない。
(2)資本金
金融業における最低払込資本金は以下の通り定められている。
- 銀行:50億タカ
- デジタル銀行:12.5億タカ
- 一般保険:4億タカ
- 生命保険:3億タカ
- その他の金融機関:10億タカ
また、支店、駐在員事務所、代表事務所は、設立初期の運転資金として50,000ドル相当以上の資本金を送金しなければならない。なお、現地法人を含め、駐在員の就労ビザおよびワークパーミット申請時には、50,000ドル相当以上の着金証明の提出が求められる。
3. 物流業に対する外資規制
バングラデシュでは、外資企業による物流業界への参入に関して規制が存在する。
2020年通関業者ライセンス規則(Customs Agents (Licensing) Rules, 2020)において、外資100%の会社に対して通関業者ライセンス(Custom Agents License)は付与されないと定められている。また、合弁会社については、外国資本家の株式保有比率は40%を超えてはならないと規定されている。さらに、ライセンスの発行は当局の完全な裁量に委ねられており、資格要件を満たしていても必ずしも付与されるわけではなく、各種調整や交渉が必要となる。
また、運送業者ライセンス(Freight Forwarder License)については、2008年運送業者ライセンス及び操業規則(Freight Forwarders (Licensing and Operations) Rules, 2008)の2015年改正により、外国資本の保有上限が40%以下に引き下げられた。加えて、以下の規定が明記されている。
- 100%外国資本の会社はライセンスを取得する資格がない
- 合弁会社の場合、外資の保有比率は40%以下でなければならない
4. 外資規制に関する留意事項
バングラデシュでは、規制が頻繁に改正される上、担当省庁の職員ですら規制を十分に理解しておらず、職員ごとに異なる回答がなされる場合がある。そのため、最新情報の収集は容易ではなく、業種自体に規制がない場合でもライセンスや許認可の取得が必要になったり、事業遂行に不可欠な特定の活動に制限が課されることもある。その結果、事業開始後に初めて規制や問題を認識するケースも少なくない。事前調査を徹底するとともに、これらのリスクを見越した事業計画の策定が重要となる。







