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リーンオペレーションが導く新時代。 日本の人口3,000万人減時代に実現すべき働き方変革とは

リーンオペレーションが導く新時代。 日本の人口3,000万人減時代に実現すべき働き方変革とは

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日本では現在も人口が減り続けており、労働市場は構造的な転換点を迎えています。
飲食業や小売業では「人手が足りない」と叫ばれている一方で、AIの進化により企業を取り巻く環境も大きく変化しています。

これからの激動の時代において、企業はどのように変わるべきで、どのように人材を活かしていくべきなのでしょうか。その問いに対し、株式会社スタディストは「リーンオペレーション」というアプローチで解決策を提案しています。

本記事では、同社代表取締役CEOの鈴木悟史に、日本が直面している現実やこれから企業や組織がまず取り組むべきことについて聞きました。

日本の人口減少をネガティブに考えすぎる必要はない

――まずは、日本が直面している人口減少について教えてください。

鈴木:いきなりですが、日本では40年後にどのくらいの人口が減るのかをご存じですか?

今後、日本の生産年齢人口は4割減ると言われており、これは避けられない現実です。2065年には日本の人口は約3,000万人減るというデータもあります。
日本では人口がどんどん減少してきているということを知っている人がほとんどだと思いますが、意外と具体的な数字までは知らない方も多いのではないでしょうか。人口推移の図

実際にこの数字を聞くと「人口がこれほどまで減っては大変だ」と悲観的な意見を持つ方が多いと思います。しかし、私はそこまでネガティブには捉えていません。2023年には民間有識者でつくる人口戦略会議は「人口ビジョン2100」を発表し、その中でも8,000万人国家を目指すという提言がなされています。

また、2025年現在、日本の人口は約1億2,000万人と言われていますが、人口約8,000万人のドイツは、GDPは日本と同水準であり、むしろ平均年収に関しては日本より約300万円高い水準にあります。つまり人口が減少しても、労働生産性を高めれば問題ないとも言うことができます。

「中間管理職は消える」業務の可視化がなぜ今、急務なのか

――人口が減ることによって、現場ではどのような変化が起こりますか?

鈴木:まずノンデスクワークの現場では、人手不足がさらに深刻化することが考えられます。人材確保のために賃金が上がり、転職も当たり前になるでしょう。その一方で、デスクワークの現場はAIの進化によって人手が不要になりつつあります。このギャップにより、労働移動が激しくなることが予想されているのです。

マイクロソフトなどの海外企業では、中間管理職の削減がすでに進行しています。業務削減により職を失ったデスクワーカーが現場業務にシフトするという社会構造の変化が進行しているのです。

――スタディストにおいても、そのような変化に伴う影響は出ているのでしょうか。

鈴木:当社においても、その影響はもうすでに表れています。当社には営業メンバーのためにお客様情報を事前に調べてレポート化する業務を行うメンバーがいましたが、今ではその業務を専門に行う人員は配置しておらず、AIツールを使って自動で構成・要点整理されたレポートを活用しています。

このように、デスクワークのなかでAIに任せられる業務はどんどん置き換わっていくことが考えられます。そのため、今後は顧客との対話や提案といった創造的な業務に人的リソースを重点的に投入すべきだと言えるでしょう。

リーンオペレーションにおいて重要なのは「標準化」&「単純化」

――次に、スタディストが掲げる「リーンオペレーション」というコンセプトについて教えてください。

鈴木:リーンオペレーションとは、理想の実現に向かい、目的に対してボトルネックとなっているオペレーションの無駄を解消し、価値を最大化する継続的な改善活動のプロセスです。
そもそも今の多くの企業は、業務のプロセスや手順を正確に可視化できていません。業務プロセスが可視化されていない状態は、企業が自身の健康状態を把握していないようなものです。それでは健全経営は実現しないので、まずは業務の現状を把握して、何をやめるべきかを明確にする必要があります。

そのうえで「標準化」と「単純化」を進めていくことが大切です。標準の手順を決め、誰がやっても同じレベルで業務がこなせる状態にして、単純化可能な部分については積極的に外部委託や自動化を進めることが求められます。

――実際にそのような動きが活発になっている業界はありますか?

鈴木:飲食業界では本社機能をスリム化し、利益を生む現場に人員を集中させる動きが明確に出てきていますね。デスクワークの人員を最小限にし、オペレーションの中心となる店舗に人を回しているのです。このような方針を掲げている企業は、収益構造の改革にも成功し始めています。単なる効率化ではなく、限られた人材を最大限に活用するため、本社と現場のリソース配分を戦略的に再構築する動きが進んでいるのです。

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人員を動員してどうにか対応する時代は終わった

――日本社会が人口減少に直面するなかで、企業や社会はどう変わっていくべきだとお考えですか?

鈴木:先ほどもお話したように、これから日本の生産年齢人口は確実に4割ほど減っていきます。これは避けられない事実です。そのような状況下で社会活動を維持するためには、日本の生産性を向上させることが求められます。人員を増やしてどうにか対応するという昭和的な発想は、もはや通用しない時代となっているのです。

日本の業務や制度の多くは、人口が増えることを前提に設計されてきました。しかし、今後は前提そのものを見直さないと企業も社会も持続的には回らないと考えた方が良いでしょう。
スタディスト代表の鈴木

――その実現のために、企業や組織がまず取り組むべきことは何でしょうか?

鈴木:まずは業務プロセスの刷新です。現場にはまだまだ無駄も多く、属人化してしまっているものが残っています。そういった現状を見直し、そこにテクノロジーを掛け合わせることで、業務の実行や教育、育成のプロセスそのものを効率化していく必要があります。

私たちが提案している「リーンオペレーション」は、そのための具体的なアプローチです。人手を減らすための施策ではなく、「少ない人員でも社会やビジネスが回る仕組み」を構築するための考え方となっています。

――それは民間企業だけでなく、公的機関にも必要な視点だということでしょうか?

鈴木:もちろんです。例えば、自治体の窓口業務では非常に多くの派遣スタッフが投入されていますが、これも「人でなんとかする」という旧来型の運営です。今後は、特に自治体において「人に依存しない仕組み」への転換が強く求められると考えています。

当社でも自治体向けの支援を強化していますが、単に業務をデジタル化するだけでは不十分です。業務そのものを見直して構造を整えていくといった、本質的な変革のもとでテクノロジーの効果が発揮されます。

人がたくさんいた時代は「仕事をつくる」ことが求められましたが、現在は限られた人材でも継続的に機能する業務体制の整備が求められる時代です。リーンオペレーションは、企業だけでなく社会全体にとって必要な考え方だと私は考えています。

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後編では人材育成の設計思想を軸に、OJTの再構築やエンゲージメントの捉え方や業務の見直しを含めた生産性向上のアプローチについて、鈴木氏の実践的な視点から深掘りしていきます。

取材・文:小町ヒロキ

(後編はこちらから)

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話し手
鈴木 悟史
株式会社スタディスト
代表取締役CEO

明治大学大学院卒。株式会社インクスにて、3DCADの機能仕様検討業務や設計システムの開発に従事し、製品開発プロセス改革のプロジェクトリーダーを歴任。その後、同社パートナー職を経て、2010年2月インクスを退社。同年3月に株式会社スタディストを設立。