
フィリピンでの契約に必須 「Notarization」と「Apostille」
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日本では印鑑文化が根強く残る一方、海外では契約などの意思表示には「署名」が基本的な手段です。押印が本人によるものであることは印鑑証明書で証明されますが、署名が本人によるものであることを第三者が確認・証明する仕組みが、NotarizationやApostilleです。今回は、フィリピンの契約に必須となるNotarizationやApostilleについて解説します。
目次
Notarization・Apostilleとは?
フィリピンでの契約や手続で、「Notarization(ノータリゼーション)」や「Apostille(アポスティーユ)」の取得を求められることがあります。NotarizationやApostilleは、その署名が確かに本人によって行われたことを、第三者が確認し証明する仕組みです。
これらの手続は、海外での契約や各種手続において重要な役割を果たします。例えば、フィリピンではNotarizationやApostilleがされていない契約書は、裁判において無効と判断されることもあります。そのため、現地では日常的に活用されています。
なお、NotarizationやApostilleはフィリピン以外の国でも必要となることがありますが、本稿ではフィリピンでの手続を前提として解説します。
NotarizationとApostilleの違いは?
NotarizationおよびApostilleは、その基本的な効果に大きな違いはないため、日本ではどちらもまとめて「公証」と呼ばれることがあります。両者の主な違いは、手続が行われる場所にあります。
・Notarization(ノータリゼーション):フィリピン国内のノータリーオフィスで行う手続
・Apostille(アポスティーユ):日本国内で行う手続
フィリピンに関連する取引を行う際には、フィリピン国内でNotarizationを行うのが原則となります。しかし、後述のようにフィリピン国内でのNotarizationは、署名者本人がノータリーオフィスに実際に行く必要があるため、事実上署名者がフィリピンに渡航するのが難しい場合には、代わりに日本でApostilleを取得することがよくあります。

手続の方法
Notarizationの場合、署名者本人がノータリーオフィスに出向いて手続を行います。ノータリーオフィスはさまざまな場所にあり、比較的アクセスしやすいのが特徴です。
Apostilleの場合は、署名者本人が手続を行うことも、他人に委任することも可能です。また、東京・大阪などの主要都市では、公証役場で手続きをワンストップで完了できます。詳細な手続方法については、外務省の公式サイトで案内されています※。
よくあるQ&A
Q. Notarization・Apostilleは絶対にしなければならないのか?
A. 書類によります。取引実務において、多くの取引で取引相手からNotarization・Apostilleを求められることが一般的です。また、法務の観点からも、後の紛争を防ぐために、これらの手続を行うことが推奨されます。実務では、小規模な取引についてはこれらの手続を省略する企業もあります。
Q. 契約書をNotarization・Apostilleする際、何部用意すべきか?
A. Notarizationの場合、基本的には7部必要です。ただし、ノータリーオフィスによって異なることもあるため、事前に確認することをおすすめします。Apostilleの場合は、通常2部(当事者用)を用意すれば十分です。
Q. 契約当事者が同じノータリーオフィスでNotarizationをしても問題ないか?
A. 問題ありません。当事者それぞれが異なるノータリーオフィスでNotarizationを受けることも可能です。
Q. Notarizationでは、公証人の面前で署名しなければならないか?
A. フィリピンの制度上、署名者がノータリーオフィスに直接出頭することが原則とされています。
Q. そもそも、印鑑ではなく署名でなければいけないのか?
A. 海外では署名が原則です。日本のように印鑑を使う文化は一般的ではなく、たとえ印鑑を押しても、それが本人によるものと裁判で認められないおそれがあります。
Q. フィリピンでは電子署名できないのか?
A. フィリピンでは、電子署名はまだ一般的ではありません。将来的には普及が見込まれますが、現時点では紙での署名が基本と考える方が無難です。








