
バングラデシュの休暇規定
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バングラデシュの労働法では、臨時休暇、病気休暇、年次有給休暇、祝祭休暇が定められており、なかでも年次有給休暇は、労働者の求めに応じて買い取りが義務づけられている。本稿では、各休暇の日数、取得要件、使用目的、年次有給休暇の買い取り条件などについて紹介する。
目次
労働者の休暇に関する4つの法令
バングラデシュでは、労働者の休暇に関する規定は以下の4つの法令に定められている。
• バングラデシュ労働法(Bangladesh Labour Act)
• バングラデシュ労働規則(Bangladesh Labour Rules)
• EPZ労働法(EPZ Labour Act)
• EPZ労働規則(EPZ Labour Rules)
このうち、EPZ労働法およびEPZ労働規則は、EPZ(輸出加工区)の入居企業および労働者に適用される。一方、バングラデシュ労働法およびバングラデシュ労働規則は、EPZ以外の地域に所在する事業所・工場および労働者に適用される(図表1)。
臨時休暇(Casual leave)
バングラデシュ労働法/労働規則【対象:EPZ以外の地域】
すべての労働者に年間10日の有給臨時休暇が認められており、翌年に繰り越すことはできない(労働法第115条)。年の途中で雇用された場合は、勤務期間に応じた日数が割り当てられる(労働規則第106条)。
暦年の定義は法令上明記されていないが、実務上は西暦に基づいて運用されている。臨時休暇の取得目的についても規定はないが、一般的には家族の病気や葬式などに使用されている。
EPZ労働法/EPZ労働規則
【対象:EPZ(輸出加工区)】
労働法同様、EPZに勤務するすべての労働者に年間10日の有給臨時休暇が認められており、翌年に繰り越すことはできない(EPZ労働法第50条)。年の途中で雇用された場合は、勤務期間に応じた日数が割り当てられる(EPZ労働規則第112条(1))。
なお、EPZ労働法では、「年」について、「カレンダー月またはカレンダー年(Calendar month or year)は西暦を意味する」と定義されている。また、臨時休暇は、緊急かつ事前に予定されていない用件に対して取得するものと明記されている(EPZ労働規則第112条(2))。
病気休暇(Sick leave)
バングラデシュ労働法/労働規則
すべての労働者に年間14日の有給病気休暇が認められており、翌年への繰り越しはできない(労働法第116条)。年の途中で雇用された場合は、勤務期間に応じた日数が割り当てられる(労働規則第106条)。
休暇取得には使用者が指定した医師による診断書が必要で、診断書に記載された療養期間に応じて休暇を取得できる。実務上は、3日以上の連続取得に対して診断書の提出を義務づけるなど条件付きの運用が一般的である。
EPZ労働法/EPZ労働規則
労働法同様、EPZに勤務するすべての労働者に年間14日の有給病気休暇が認められており、翌年への繰り越しはできない(EPZ労働法第51条)。年の途中で雇用された場合は、勤務期間に応じた日数が割り当てられる(EPZ労働規則第112条(1))。
休暇取得には使用者が指定した医師による診断書が必要で、診断書に記載された療養期間に応じて休暇を取得できる。実務上は、3日以上の連続取得に対して診断書の提出を義務づけるなど条件付きの運用が一般的である。
年次有給休暇(Annual leave/ Earned leave)
バングラデシュ労働法/労働規則
勤続1年を超えた労働者には、直近12ヵ月の実働日数に基づき、18日勤務ごとに1日の有給休暇が付与される(店舗、商業施設、工業施設、工場、道路交通施設の労働者に適用)(労働法第117条(1))。
有給休暇は翌年への繰り越しが可能だが、図表2の上限に達するとそれ以上は付与されない(同条(4))。
未消化の有給休暇について、労働者が買い取りを希望する場合は、年に1回、保有日数の半分まで買い取りが認められる(労働規則第107条(2))。買い取り金額は、前月の賃金(時間外手当および賞与を除く)を30で割った1日分の賃金に基づいて算出される。
EPZ労働法/EPZ労働規則
勤続1年以上の労働者には、直近12ヵ月の勤務日数18日ごとに1日の年次有給休暇が付与される(EPZ労働法第52条(1))。
未消化の年次有給休暇は、翌年度に現金で買い取ることができる(EPZ労働規則第114条)。買い取り金額は、前月の賃金(基本給、住居手当、医療手当)を30で割った1日分の賃金に基づいて算出される。
労働法では、付与は「上限日数に達するとそれ以上不可」、年次有給休暇の買い取りは「年1回・かつ保有日数の半分まで」とされているが、EPZ労働法にはこうした制限は設けられていない。
祝祭休暇(Festival Holiday)
バングラデシュ労働法
年間11日の有給の祝祭休暇が認められている(労働法第118条)。祝祭休暇に勤務する場合は、2日の補償賃金および1日の代休が与えられなければならない(同条)。
EPZ労働法
年間11日の有給の祝祭休暇が認められている(EPZ労働法第53条(1))。祝祭休暇に勤務する場合は、30日以内に2日の有給の補償休暇が与えられなければならない(同条(3))。







