
属人化業務を標準化する。BPO導入で間接コスト削減と柔軟性を高める方法
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労働人口の減少は、企業にとって避けられない課題です。従来の「人を増やす」という解決策だけでは限界があります。この状況を単なるピンチと捉えるのではなく、組織の質的成長を促す機会として捉えることが重要です。
そこで今回、株式会社BizMow取締役の黒川慶大氏に登壇いただき、BPO(業務プロセスアウトソーシング)がどのようにこの課題解決をサポートし、少数精鋭チームへの変革を実現するのかを解説いただきました。BPO活用の戦略的なメリットと、導入のための具体的なロードマップについても掘り下げます。
(前編はこちらから)
目次
BPO活用で解決する3つの組織課題。時間創出・標準化・業務改善を実現する
株式会社BizMow 取締役 黒川慶大氏(以下、黒川):BPOは、緊急度が高く重要度が低い業務をカバーする役割を果たします。今までリソースや残業といった形で補っていた少数の業務から、少数精鋭で重要度の高い業務(コア業務)に注力することが可能になるのです。本日は、それらを実現するロードマップをお伝えしたいと思います。
実際にBPOを活用すると、以下のような組織内のボトルネックをカバーできます。
1つ目は、時間の創出(リソースの確保)です。業務を委託することで、単純に時間が浮き、より生産性の高い、重要度の高い業務に取り組むことができるようになります。
2つ目は、暗黙知の形式化(標準化・仕組み化)です。少数で業務を回していると、マニュアル化の必要がなく、いわゆる「阿吽の呼吸」で済ませがちですが、事業規模や組織規模が大きくなると、形式知に変えていかないと機能しなくなります。
BPO事業者はチームで業務を実施できるように、マニュアル化や形式化を進めます。これにより、内部では取り組みづらかった暗黙知が形式化され、マニュアル化されることによって誰でもできるようになります。
3つ目は、業務改善と費用対効果の明確化です。BPO事業者は、費用対効果を意識して業務に取り組みます。その業務が費用に見合う価値があるのかを考え、自動化や省力化を検討することで、業務改善を進めていきます。また、その業務プロセスの費用対効果が低いと判断されれば、その業務をやめてしまおうという判断もしやすくなります。
これは社員が担当している場合、「その人がいなくなったらどうするのか?」という問題が生じるのに対し、BPOを利用することで、企業としての柔軟性が増すというメリットがあるのです。

BPO導入によるコスト構造の変化と柔軟性の向上
黒川:BPO導入は、単なる人件費の置き換えではなく、コスト構造全体に柔軟性をもたらします。内製化している企業がBPOを活用する際の費用感を見ると、時間あたりの費用はBPOの方が高く見える印象があるかもしれません。しかし、内製化では毎月の費用以外のコストが大きくかかっています。
例えば、採用費や教育費、そして離職時の引継ぎ、業務調整や目標設定や評価のマネジメントなど、様々な間接コストが発生します。
それらをBPOに依頼することで、必要な時間だけ調整可能になり、間接コストを最小化できます。その結果、コア業務に集中でき、事業拡大に必要な仕組み化を進められるのです。
リーンオペレーション4ステップで実現。無駄なく改善が回る組織のつくり方
黒川:当社は、未来が「知的活力がみなぎる社会になること」を願っています。そのためには労働人口が減る中でも成り立つ社会が必要不可欠です。無駄なく、無理なく改善が回る仕組みづくりが重要なのです。
これらは、リーンオペレーションの4ステップである「現状の可視化」、「業務の標準化」、「単純化」、「徹底化」を通して実現されます。BPOサービスは、会社の未来を明るくするサービスラインナップの一つになると考えています。
ただ、多くの場合、「具体的にどのように進めてよいかわからない」という方もいらっしゃいます。まずはお気軽にご相談ください。
BPO事業者である私たちはヒアリングを通じて業務整理を行い、「何が大事で、何を担っているのか」を明確にします。その上で、「何をアウトソースすれば、より生産性が高まるのか」を切り出し、業務を引き受けるところまで対応していきます。
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質疑応答
Q. どのような業務をBPOに任せるべきか判断する基準はありますか?
黒川:一言で言うと「任せられるかどうか?」になります。つまり、依頼側の判断が伴うかどうかを一つの基準にしていただきたいのです。判断が伴う業務は、他の人にやってもらうのが難しく、自分でやるという形になりやすいためです。
ただし、判断が伴う業務であっても、実際には価値につながっていない判断が多い場合もあります。例えば、ファイル名やフォルダの場所がバラバラで、勘所がないとどこにあるかわからないといった業務は、ルール一つ決めれば実は作業として取り組めることだったりします。
まずは「判断が伴っているかどうか」を検討し、その判断が価値につながっているかどうかを確認します。価値に繋がっていない、もしくはもっと優先すべきことがあるならば、できる限り任せる方向に動けないか検討していくと良いでしょう。
Q. 「属人化した業務の整理が難しい」と感じる企業へのサポートは?
黒川:属人化している業務でも、最初は口頭やオンラインでの引き継ぎからで問題ありません。先ずは煩わしいと感じる、もしくは課題感がある業務を依頼してみてください。BPO事業者は、その引き継ぎの過程で何がポイントかを確認しながら、マニュアル化や業務の整理を進めていきます。
依頼側が定型化しないと渡せないと思い込んでいるケースもありますが、そのままでは自分でやるしかない状態が続いてしまいます。口頭で伝えられるレベルでも、回っていることをしっかりと伝えていただければ、BPOによるサポートが可能です。BPO側でマニュアル化し、2回目以降はそれを見ながら回せる環境を構築していきます。
まとめ
非コア業務を外部に委託することで、従業員が本来注力すべきコア業務に集中できる環境を実現します。これにより、単に時間の創出だけでなく、組織内に蓄積された暗黙知の形式化、採用や教育にかかる間接コストの最小化、そして業務の繁閑に応じたリソースの柔軟な調整といった戦略的なメリットがもたらされます。
これらのメリットを最大限に活かすためには、従業員が退職する前などにBPOの導入を検討し、ノウハウが引き継がれないリスクを減らすなど、先手を打つことがおすすめです。BPOサービスは、企業の未来を明るくし、知的活力がみなぎる社会を実現するための重要な役割を担うと言えるでしょう。
(前編はこちらから)
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