
人手不足を成長の機会に変える。BPOで実現する少数精鋭チームのつくり方
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労働力不足が深刻化する現代において、「人を増やす」という従来の解決策に限界を感じていませんか?
「採用してもすぐに辞めてしまい、育成コストばかりがかさむ」「人手不足で既存メンバーの負担が増え、疲弊している」「コア業務に集中したいのに、定型業務に時間を取られている」。こうした考えを持つ経営者・管理職の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回、株式会社BizMow取締役の黒川慶大氏に登壇いただき、「人手不足」がもたらす構造的圧力を乗り越え、BPO(業務プロセスアウトソーシング)を戦略的に活用することで、少数精鋭の強いチームを構築する方法をご紹介いただきました。
本記事では、少数精鋭チームの必要性、その定義、そして「少数」に陥ってしまう構造を深く掘り下げます。限られた人材で最大の成果を生み出すためには――?新しい組織運営のヒントが詰まっています。
目次
人手不足が深刻化する日本で、少数精鋭組織が必要な理由とは
株式会社BizMow 取締役 黒川慶大氏(以下、黒川):なぜ今、少数精鋭チームの構築が求められているのか、その社会的背景をお話したいと思います。
日本の生産労働人口は、2010年をピークに減少し続けています。今後40年間で、2065年までに約3,000万人、つまり約4割の労働人口が減少するという未来が待っているのです。
身近な状況に置き換えると、今10人の周りの方々が行っている10の仕事が、将来的に6人しかいなくなるということを意味します。この状況下で、今まで通りに仕事をしていては、6人分の仕事しかできなくなってしまいますよね。もし企業として、未来に向けて10の仕事にとどまらず、10、20、30と成果を増やしていこうとするならば、一人ひとりの生産性を高めることが不可欠です。これが、「生産性の高い少数精鋭チームをつくっていく必要性がある」という社会的な背景です。
人手不足の圧力下では、人を雇うコストが増え、費用を抑えるための縮小均衡の圧力がかかったり、目の前の業務に精一杯になり残業や個々の努力で耐えしのごうとしがちです。
このような属人的なやり方に頼るのではなく、この機会を質的成長につなげ、仕組み化・標準化を通じて全社的に生産性を上げていく方法を考えるべきです。目の前のことだけではなく、本当にやるべきことに集中し、生産性を上げていくことが求められています。私は、これを「ピンチをチャンス」に変えられる絶好の機会だと思っています。
残業でカバーする「少数」から脱却。戦略的に機能する少数精鋭の定義
黒川:ここで、「少数精鋭チーム」の定義を明確にしてみましょう。まず、単なる「少数」と「少数精鋭」の違いを区別します。
「少数」は単に人数が少ない状態を指します。この場合、低い生産性をリソースや残業で補おうとします。
一方、「少数精鋭」は最適な人数に絞られ、高い生産性を戦略的に実現できているチームのことを指します。
端的に言えば、リソースでカバーしようとするのが「少数」であり、生産性戦略でカバーしようとするのが「少数精鋭」の違いです。

ただ、今や労働人口が減り、業務量に対してリソースが小さいという事実は変わりません。「少数」の考え方ではタスクが増え続け、目の前の業務に忙殺されてしまいます。そうすると、本来やるべきことに到達できず、停滞感や残業による疲弊、ミスや離職の頻発といった負のサイクルに陥りやすくなります。
多くのチームが「少数」で疲弊する2つの原因と負のサイクル
黒川:「少数」の状態になってしまうポイントは主に2つあります。
1つ目は、真にやるべきことが明確ではないことです。問題の原因追及や、ありたい姿の定義ができていない、あるいは定義できていても、実現のための具体的なロードマップが明確になっていない状態です。
2つ目は、上記のことができていたとしても、緊急度の高い業務ばかりで、取り組む時間が確保できないことです。改善すれば工数を減らせる業務だとわかっていても、後手に回って対応せざるを得ず、結果的に「少数」の状態が続くことになります。
裏を返せば、「少数精鋭」になるためには、真にやるべきことが明確で、それに取り組む時間もしっかりと確保されていることが必要です。
「少数精鋭」の考え方では、同じ環境下でも本当にやるべきことに注力することで成果を出し、事業成長や改善が進んでいきます。その結果、向上感や充実感といった正のサイクルへとつながるのです。
コア業務に集中する時間をつくる。業務マトリックスで見るBPO活用の効果
黒川:真にやるべきこと、すなわち重要度が高い業務に取り組む時間を確保するために、まずは現状を把握してみましょう。今回は、業務を「重要度」と「緊急度」のマトリックス表で分類しました。業務は通常、以下の4つの領域(A:重要度高・緊急度高、B:重要度高・緊急度低、C:重要度低・緊急度高、D:重要度低・緊急度低)に分類されます。

「少数」の状態にあるチームは、重要度が低いけれども、緊急度の高いところの業務Dに集まり、手一杯になっている状態になりがちです。Aの業務もリソースに余裕があれば取り組む場合もありますが場当たり的で、どちらかというと具体的なタスクを減らすため、Cの業務に向かう傾向があります。
一方、「少数精鋭」の状態では、重要度が低いこと(CとD)にはできる限り取り組まず、重要度の高いコア業務(AとB)にしっかり注力します。緊急度だけを重視するとたどり着けなかったBの業務に取り組めるようになり、さらに中長期的に取り組むべきAの業務についても計画的に着手できる状態になります。
Aの業務(中長期的な改善活動)に取り組めているからこそ、短期で誰かが休むなどのイレギュラー対応が発生した際にも、カバーできる余力が生まれるのです。
ですが、「Aに注力すべきだ」と理解していても、現実はなかなか難しいものですよね。問題は、Dの領域(緊急度が高く重要度が低い業務)をどうするかが大きなポイントです。
ここからがBPOの出番になります。このDの領域に対してBPOを活用することで、「少数」から「少数精鋭」へ移っていくことができるのです。BPOは、このギャップ(Dの領域に時間を奪われる状態)を埋める役割を担います。

BPOを活用するためには
BPOをよりわかりやすく理解するために、例として、子育てと仕事を両立する共働き家庭の例を考えてみましょう。
子育ても仕事も全て家庭内で行うことも可能ですが、多くの家庭は保育園に費用を払い、子供を預ける選択をします。仕事の時間をつくりだし、結果として「費やしたコスト以上の豊かさ(収入やキャリア)」が得られるからです。
よく考えるとBPOは各家庭でも当たり前のように取り組まれていることがわかります。ただ、ビジネスの職場環境では、これらをすべて自分ですることと捉え、本来任せた方がよい業務を抱えながら一生懸命仕事を行っている場面がよくあります。BPOを活用し、任せられるものは任せることで、本来実現したいこと、自分たちがやらないといけないこと(コア業務)に集中することができると考えています。
まとめ
「少数精鋭チーム」とは、最適な人数で高い生産性を戦略的に実現しているチームを指します。多くのチームが「少数」に陥るのは、緊急度が高いものの重要度が低くなりがちな定型・定常業務に時間を奪われていることが主な原因です。
このようなタスクを外部に委託すると、チームがコア業務に注力できる時間を確保しやすくなります。BPOサービスを活用することで、中長期的な改善活動にも計画的に取り組めるようになるでしょう。
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