絞り込み検索
Keyword
Category
Tag
トップ 業務プロセス
コア業務に集中するには?成果につながる実践的ステップ

コア業務に集中するには?成果につながる実践的ステップ

  • 業務プロセス
  • # 解説記事

最終更新日:

公開日:

バナー画像です

激化するビジネス環境において、企業が持続的な成長を遂げるためには、企業の中核的業務であるコア業務に人や資金などの経営資源を集中させることが必要不可欠です。本記事では、コア業務の概要やコア業務に集中するメリット、コア業務への集中を実現するための環境整備の進め方などについて解説します。

コア業務とは

コア業務とは、企業の利益の創出につながる中核的業務のことで「主業務」とも呼ばれます。コア業務は、企業経営にも関わる業務でありながら、経営陣ではなく一従業員の担当業務であることがポイントです。また、多くのコア業務は決まった手順がない非定型業務であり、難易度が高く専門的な知識と的確な判断力が求められます。そのため、担当従業員の専門性や独自性に依存しやすいのが特徴です。

ノンコア業務との違い

コア業務が企業に利益をもたらす中核的な業務に対し、ノンコア業務は企業の利益に直接関与しない業務のことで、「副業務」とも呼ばれます。専門的な知識や柔軟な対応が求められるコア業務に対し、ノンコア業務のほとんどは定型業務で標準化しやすく、内容もそれほど難しくありません。とはいえ、ノンコア業務は企業運営やコア業務をスムーズに進めるうえで必要不可欠な業務です。近年、限られた経営資源をコア業務に集中投下するべく、アウトソーシング(外部委託)や専用システムを活用してノンコア業務の効率化・省人化を推進する企業が増えています。

コア業務とノンコア業務の具体例

コア業務とノンコア業務の定義は企業や部署によって異なりますが、多くの企業では以下のような業務をコア業務、ノンコア業務として区分しています。

【コア業務の一例】
・製品やサービスの企画・開発
・営業活動や販売促進
・人材育成や業務改善
・マーケティング戦略の立案・策定

【ノンコア業務の一例】
・データ入力や資料作成
・経理業務、勤怠管理
・電話・メール対応
・備品管理

このようにコア業務は企業独自の価値創造に関わる業務であるのに対し、ノンコア業務は事業基盤を支えるサポート的業務がほとんどです。効率的な経営をするためには、全業務をこの2つに分類し、経営資源の最適配分を図る必要があります。

コア業務に集中するメリット

ノンコア業務の効率化・省人化を進め、コア業務に人材や資金などの経営資源を集中させることで、以下のようなメリットが期待できます。

業務の効率化につながる

ノンコア業務の効率化・省人化を強化することで、従業員は本来力を入れるべきコア業務に専念できます。例えば、データ入力や資料作成などの事務作業や備品の在庫管理などの雑務をアウトソーシングすることで、重要度の高いコア業務に集中できるため、業務の合理化が進められます。

また、煩雑な作業に費やす時間が減ることで、業務改善の機会や心の余裕が生まれやすくなるのもメリットです。こうした業務改善や心の余裕は、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上に寄与します。

生産性が向上する

従業員が自身の知識やスキルを活かせるコア業務に集中することで、生産性アップも期待できます。生産性が高まれば、同じ従業員数、同じ時間で多くの成果が見込め、コストの削減も可能です。さらに従業員一人ひとりが専門性の高い業務に注力できれば、より質の高い商品やサービスの提供が行えます。このように生産性の向上は、企業の競争力を強化し、長期的な成長に大きく貢献します。

競合との差別化や新規事業の創出につながる

コア業務に注力できる人材が増えれば、企業の中核的な業務を強化できます。例えば、自社の製品の質を高めることで、競合企業との差別化が図れます。また、自社の製品を顧客が求めるニーズにマッチできるように改善すれば、顧客満足度や顧客ロイヤリティが高まり、結果的に業績にも良い影響を与えるでしょう。

さらに、コア業務に注力できる環境は、新規事業の創出にもつながります。業務を効率化することで、人材や資金、時間などの経営資源を、新たな製品やサービスの開発に振り向けることが可能になるためです。これにより、市場シェアの拡大や新市場への参入が進み、企業の持続的な成長が期待できます。

コア業務への注力が求められる企業の特徴

ノンコア業務を効率化し、コア業務に力を入れるべき企業には、いくつかの共通点があります。ここでは、中核的業務に力を入れる必要がある企業の特徴を3つ紹介します。

利益率が低い

利益率の低い企業は、書類作成や資料整理などのノンコア業務に多くの労力や時間をかけているケースが多いです。ノンコア業務は企業運営に必要不可欠な業務ですが、直接的な利益は生み出しません。そのうえ、このようなサポート的業務が非効率な場合、本来力を入れるべきコア業務に十分な人材や資金が投入できないばかりか、企業成長が鈍化するおそれがあります。限られた経営資源を有効に使うためにも、ノンコア業務の効率化を進め、コア業務に集中させることが重要です。

無駄なコストが発生している

採用や教育にかけるコストは必要ですが、ノンコア業務が多く、人材を有効活用できない場合、人材育成費、人件費などが無駄になっている可能性があります。実際、無駄なコストが存在している企業は、コア業務の効率・生産性が低いことが多いです。しかし、ノンコア業務の効率化・省人化を実現させ、コア業務に人材を集中できれば、さまざまなコストが減らせます。

例えば、ノンコア業務を外部委託することで業務内容や経営状況に応じて人件費を調整できるため、人件費の抑制が可能です。また、人材育成費や設備費の削減になります。ほかにも専門的なノウハウを持つ外部企業に業務を任せることで業務の質の向上が期待できます。

人材が常に不足している

少子高齢化が進んでいる昨今、慢性的な人材不足に悩む企業は少なくありません。このような企業は、限られた人数で多くの仕事をこなさなければならないため、一人あたりの作業負担が大きく、生産性が下がりやすい傾向があります。また、忙しさのあまり業務改善が進んでおらず、既存の業務プロセスに非効率な部分がある可能性も高いです。

こうした状況は企業の成長を阻む要因となるため、ノンコア業務の効率化・省人化に取り組むことが重要です。アウトソーシングやITシステムの活用を推進し、コア業務により人材を注力できるように環境を整える必要があります。

コア業務に集中するための実践的ステップ

業務の効率や生産性を高めて企業の成長を加速させるには、経営資源をコア業務に集中させることが重要です。ただし、業務の分類が不十分なままコア業務に注力しても、持続的な発展にはつながりません。ここでは、コア業務への効果的な集中を実現するための環境整備の進め方について解説します。

1. 対象部門を決め業務を可視化する

経営資源をコア業務に集中させるためには、まず対象となる部門(部署)を決め、行われている全ての業務を可視化する必要があります。「いつ」「誰が」「どのような業務をしたか」といった業務の流れを洗い出し、それぞれの業務にどれくらいの時間やコスト、人材が費やされているかをリストアップします。このとき、現状の業務を正確かつ詳細に把握するために、部門責任者だけでなく、現場担当者も含めてアンケートやヒアリングを行うことが大切です。

このような手順で全業務を可視化することで、現状の課題や問題点が明らかになります。例えば、特定の従業員にしか対応できない業務や、作業効率の悪い業務などが浮き彫りになり、改善にもつなげやすくなります。

業務の可視化についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>>業務可視化の重要性と成功のポイント、実践ステップを紹介

2. 可視化した業務をコアとノンコアに分類する

対象部門を決めて業務の棚卸しをしたら、業務をコア業務とノンコア業務に分けていきます。この作業は、限られた人材、時間、コストといったリソースを、どの業務に使うべきかをはっきりさせるために非常に重要です。

分類する際は、以下の2つを判断基準にしましょう。

経験やスキルが必要かを見極める

コア業務とノンコア業務を分ける際に重要なのは、その業務に特別な知識やスキル、経験が必要かどうかです。具体的には、高度な専門知識や的確な判断力が求められる業務はコア業務、定型業務でマニュアルを作成すれば誰にでもできる業務ならノンコア業務に分類します。

例えば、マーケティング部の場合、資料作成やSNS運用などの業務は、マニュアルと基本的なスキルがあれば誰にでもできるため「ノンコア業務」に分類します。一方、商品企画や販売促進、市場調査・分析などの業務は、専門的な知識と鋭い判断力が必要なため「コア業務」に分類します。

初めて業務を分類する際は、多くの業務をコア業務と判断してしまいがちですが注意が必要です。実際には、専門的な知識や高度な判断が求められる業務は一部に限られ、多くはノンコア業務として整理できます。そのため、明確に専門性が必要といえない業務は、積極的にノンコア業務と位置づけましょう。

あるべき姿(To Be像)を意識する

業務の効率化を図る際は、業務をコア業務とノンコア業務に分類するだけでなく、組織のビジョンや戦略に基づいて「企業のあるべき姿(To Be像)」を意識することも重要です。企業が将来目指すべき方向性を明らかにし、その目標達成に貢献する業務を「コア業務」にすることで、あるべき姿に近づきます。また、自社が力を入れるべき業務も明確になり、現状と理想の差がはっきりすることで、より効果的な業務改善を行うことができます。

3. 分類によって洗い出されたノンコア業務を効率化する

コア業務とノンコア業務を分類したあとは、洗い出したノンコア業務の効率化・省人化を進めましょう。そうすることで、コア業務に集中できる人材をより多く確保できます。ノンコア業務を効率化する代表的な方法は、以下の3つです。自社の課題やニーズに合わせて、最適な手法を選びましょう。

業務の見直し・廃止による省人化

まず検討すべきは、その業務が本当に必要かどうかの見直しです。長年続けられている慣習的な業務の中には、現在の事業環境では不要になったものや、形骸化して価値を生んでいないものが含まれていることがあります。

たとえば、複数の部署で同じような報告書を作成している、承認プロセスが過度に複雑になっている、利用頻度の低い会議が定期的に開催されているといったケースです。こうした業務は、アウトソーシングやシステム化を検討する前に、「廃止」や「簡素化」を検討することで、コストをかけずに大幅な効率化を実現できます。

「なぜこの業務を行うのか」「この業務がなくなった場合、どのような影響があるのか」を問い直し、業務の棚卸しをすることで、本当に必要な業務だけを残すことができます。

アウトソーシングによる省人化

自社での効率化が難しいノンコア業務は、アウトソーシングを活用することで、経営資源を最適化できます。アウトソーシングとは、業務の一部を外部の業者に委託することです。例えば、総務や経理部門などの事務作業は、比較的外部業者に委託しやすい業務です。特定業務を専門的に扱っている外部企業に任せることで、業務効率化だけでなく、コストの削減や生産性向上なども期待できます。

また、自社の業務プロセス全体を外部に委託する「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」という方法もあります。専門性を持つ外部に企画から実施までをまるごと委託することで、企業はより経営資源をコア業務に集中させることができ、自社の付加価値獲得や競争力の強化が図れます。

BPOについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>>BPO事業とは? アウトソーシングとの違いや導入メリットを簡単に解説

システム導入などによる効率化

ノンコア業務の効率化には、専用システムの導入も効果的です。例えば、RPA(Robotic Process Automation)システムを導入することで、請求書作成や在庫管理、勤怠管理、問い合わせ対応などの業務がより効率化できます。また、CRM(Customer Relationship Management)ツールを導入することで、顧客情報をまとめて管理できるようになり、営業活動などで発生する複雑な業務を減らせます。

このようなシステムを導入することで、コア業務に注力でき、一人ひとりの生産性向上が見込めます。さらに業務上のミスを減らせ、業務の属人化を防げるなどのメリットも期待できます。

システム導入について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
>>>システム導入の失敗を防ぐには?重要となるプロセスの全容と課題を解説

まとめ

コア業務に集中することで、業務の効率化や生産性の向上、競合との差別化、新規事業の創出などさまざまなメリットが期待できます。これらを実現させるためには、まず自社の全業務を可視化することが重要です。そのうえで、ノンコア業務にはアウトソーシングやシステムを活用し、効率化・省人化を進めましょう。こうした取り組みにより、限られた経営資源をより付加価値の高い業務へ集中させることが可能になります。
特に、利益率の低い企業や無駄なコストが発生している企業、慢性的な人材不足に悩む企業は、ノンコア業務に過剰なリソースを割いているケースが少なくありません。記事で紹介したステップを参考に、コア業務に集中できる環境を整えましょう。