
点検の形骸化を防ぐ4つのステップ。点検業務の実行支援システムで実現する適正品質
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前編では、株式会社スタディスト iCheckup!事業部 部長の関根弘明が、点検業務が抱える「属人化」や「形骸化」といった構造的な課題について語りました。
後編となる本記事では、「iCheckup!」がそれらの課題をどのように解決するのか、具体的な機能や導入効果に迫ります。さらに、同社の主力サービス「Teachme Biz」との連携によって生まれる価値や、関根が描く「適正品質」の実現に向けた展望についても聞きました。
(前編はこちらから)
目次
点検を“やりっぱなし”にしない。形骸化を防ぐ4つの実践ステップ
ーー点検業務の形骸化に対して、iCheckup!はどのような役割を果たすのでしょうか?
株式会社スタディスト iCheckup!事業部 部長 関根弘明(以下、関根):私たちは点検業務の属人化を解消し、品質向上につなげるためには4つのステップが必要だと考えています。それが以下の4つです。
①目的の明確化
②記録の確実化
③対応の標準化
④継続的改善
成功している企業は、デジタルツールを導入するだけでなく、この4つの流れを定着させ、現場の意識改革まで取り組んでいる点が共通しています。
ーー具体的にどのようなステップなのか教えていただけますか?
関根:まず1つ目は「目的の明確化」です。これをおろそかにすると、点検業務はすぐに形骸化してしまいます。
例えば「ボルトが緩むと機械が止まり、生産ライン全体に影響が出る」といった具体的なリスクや目的が理解されていないと、作業者は「チェック欄を埋めればいい」という考えに陥り、形骸化が始まってしまいます。まずは目的をしっかりと言語化し、「小さな変化や異常報告こそが大事である」という認識を全社的に共有することがスタートラインになります。
ーーたしかに、「言われたからやる」のと「必要だからやる」のでは意識が全く違いますね。
関根:おっしゃる通りです。そして2つ目は「記録の確実化」です。これはiCheckup!のアプリとしての使いやすさが直結する部分ですが、スマートフォンやタブレットで誰でも直感的に、迷わず記録できることが重要です。従来の紙の点検表では、レ点チェックがメインで、結果として曖昧な記述になることがありました。
iCheckup!では画像ベースで点検箇所を示し、OK/NGボタンや数値入力で簡単に記録できます。また、数値が規定範囲外であれば自動的にNG判定が出る仕組みや、形骸化させたくない項目には写真撮影を必須にするなど、エビデンスを確実に残す仕組みも取り入れています。これにより、誰でも簡単に正しい情報を残すことが可能です。
現場が最も困る「異常を見つけたけど対処法がわからない」をマニュアル連携で解決
ーー次に、3つ目の「対応の標準化」についても教えてください。
関根:点検業務において現場が最も混乱するのは、「何をもって正常とするか」という正しい判断基準が曖昧だったり、人によって点検の手順や処置のやり方がバラバラだったりすることです。
例えば、新人スタッフが「フィルターが汚れている」と気付いても、清掃手順がわからず放置してしまいますし、自己流で間違った処置をして故障の原因をつくってしまうリスクもあります。
iCheckup!の点検画面には「参考リンク」というボタンがあり、そこをタップするとスタディストが提供するマニュアル作成・共有システムTeachme Bizで作成された手順書がすぐに開くようになっています。「フィルターの清掃手順」や「バルブの調整方法」などを動画や画像で即座に確認できるため、経験の浅いスタッフでもベテランと同じように正しい処置が可能です。
このように、「判断の迷い」や「やり方のバラつき」をなくし、点検と処置をスムーズにつなげることで、誰が担当しても同じ品質で対応できる「標準化」を実現しています。これはマニュアル作成ツールから始まった私たちだからこそ提供できる価値だと考えています。
ーーそして、最後の4つ目が「継続的改善」ですね。
関根:現場業務は改善されていても、何年も同じ点検表を使っている企業が非常に多く見受けられます。これによって点検業務の形骸化や属人化といった問題にも繋がり、企業からのお悩みとしてご相談をいただくことも多いです。より良い状態に向けて、設備や現場の状況にあわせて点検業務においても継続的な改善が求められます。
継続的な改善は、品質向上を促すとともに、現場の作業員のモチベーションを高める効果にも繋がります。
そして改善においては点検情報のデータ分析が必要です。iCheckup!を使えば点検情報を記録しデータ管理することが可能です。
しかし、分析に使うデータが正しい記録でなければ、分析する意味がありません。そのため4つのステップを企業の状況にあわせて適切に進めていく必要があるのです。
私たちはこういった面においても活用支援を行い、正しいデータに基づいて業務を最適化することで、真の「適正品質」につながると考えています。
半年で245件の気づきを報告。チケット機能が変えた「小さな異常」の可視化
ーーiCheckup!の機能面において、こだわったポイントについて教えてください。
関根:私たちが特に重視しているのが「チケット機能」です。これは、点検時の小さな変化や異常内容をチームで共有し、対処完了まで実行管理できる機能です。
紙の点検表では、すぐに管理者に報告されない、異常内容が放置されたままになっている、記録しても対応の進捗状況がわからないなどの問題が発生していました。
しかし、iCheckup!のチケット機能を使えば、点検情報の異常内容を記録してすぐに報告し、管理することが可能です。また、コメントだけではなくマーキングした写真も添えて報告することができるので、簡単に報告できるようにもなりました。

ーーその機能によって、実際にどのような変化が起きていますか?
関根:例えば、導入企業の三島食品様では、この機能を使って半年間で245件もの「気づき・異常内容」が報告されました。これまでは埋もれていた「小さな異常」が可視化され、大きな事故になる前に対処できるようになったのです。
これによって生産量が増加する中、設備要因の停止時間が減少するという効果に繋がっています。
現場からのチケット報告によって、大きな損失を防いでいるという素晴らしい成功体験に繋がっています。
ーー半年で245件という数字は、かなり多い印象ですね。
関根:これまで見過ごされがちだった小さな異常が、「報告されるべきもの」として文化として根づき始めた結果だと捉えています。
三島食品株式会社様:現場に依存した点検体制を改革。点検実施率が向上し、導入から半年で設備要因の停止時間が約12%減少
点検業務の改革こそが「未来への投資」である
ーー導入企業での成果も出始めているようですが、今後iCheckup!をどのように広げていきたいとお考えですか?
関根:まずは製造業を中心に、物流や小売、飲食などの現場を持つあらゆる業種に展開していきたいと考えています。2027年2月までに200社への導入を目指すにあたり、採用活動も強化しています。また、これまでは試験的な出展にとどまっていた展示会についても、今後は本格的にブースを構えて展開していく予定です。
多くの方にiCheckup!を知っていただく機会を増やしつつ、導入数だけでなく、お客様の現場で「適正品質」を実現することを目標に取り組んでいきたいと考えています。
ーー最後に、点検業務の改革に取り組もうとしている経営者や現場リーダーの方々へメッセージをお願いします。
関根:多くの企業において、点検業務は「利益を生まないコスト」と捉えられがちです。しかし、私は点検業務の改革こそが「未来への投資」だと考えています。設備が安定して稼働し、不良品が出ず、従業員が安全に働ける環境があって初めて、企業は価値を生み出し続けることができます。その土台を支えているのが点検業務だと思っています。
点検をおろそかにすることは、将来の経営リスクを放置することにつながります。これをきっかけに、貴社における点検業務の見直しを行ってみてください。
ーー本日は貴重なお話をありがとうございました。
(前編はこちらから)
取材・文:小町ヒロキ
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