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生産性向上を実現する、プロジェクト推進のためのステップガイド

生産性向上を実現する、プロジェクト推進のためのステップガイド

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生産性を向上させながらプロジェクトを成功に導くためには、オペレーションの改善が欠かせません。業務の無駄を削減し、付加価値を生み出す効率的な体制を築くことで、プロジェクトがスムーズに進行し、成果を最大化できます。この記事では、生産性向上を目指したプロジェクト推進の具体的な流れと重要なポイントを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

生産性向上のプロジェクトとは?

業務の生産性を向上させるためには、日々のオペレーションを見直すこと、いわば「オペレーション改革」が不可欠です。こで言うオペレーションとは、製品・サービスの開発、生産、マーケティング、販売など、企業活動のすべてのプロセスを指します。

生産性向上のプロジェクトとしてオペレーション改革に取り組むことで、業務をより効率的かつスムーズに進めやすくなり、コスト削減や業務効率化、収益性の向上が期待できます。また、改善によってビジネスチャンスの創出やブランドイメージの向上も図れます。オペレーション改革を通じて、自社のビジネス成長に貢献することが、このプロジェクトの大きな目標です。

生産性向上につながるプロジェクト推進の流れとポイント

生産性向上のプロジェクトとしてオペレーション改革に取り組むには、各工程を段階的に進める必要があります。具体的には最初に全体の計画を立て、部分効率化から取り組みます。その後、全体効率化・価値強化に着手し、取り組みを継続するのが基本です。関係者がそれぞれの立場から取り組みを進め、組織全体で生産性向上を目指していきます。

以下では、各工程における具体的な取り組みの内容やポイントなどを確認します。

キックオフミーティング(1ヵ月目)

最初に実施するキックオフミーティングは、オペレーション改革の成功を左右する重要な工程です。プロジェクトの関係者が集まる機会を設け、プロジェクトの方向性について確認する必要があります。キックオフミーティングを通して全体の目標をしっかり共有できると、組織が一体となって活動を展開しやすくなります。

キックオフミーティングについて特に重要なポイントは以下の通りです。

まずは認識の統一が大切

キックオフミーティングの目的は、プロジェクトの関係者全員の認識をそろえることです。そのため、経営層、変革推進チーム、現場で働く従業員が一同に介する機会を作る必要があります。具体的には、プロジェクトを実施する意義や背景などを、経営層がチームメンバーや従業員に対して伝達します。経営層から直接説明を聞けば全員が当事者意識を持ちやすくなり、組織が一体となってプロジェクトに取り組むことが可能です。

経営層にとっては改めて話題にする必要がないと考えられる内容であっても、現場で働く従業員までが経営層と同じレベルでそれらを認識していることはほぼありません。したがって、キックオフミーティングでは、プロジェクトを実施する意義や背景について改めて丁寧に伝えることが大切です。また、プロジェクトの最終的なゴールについても示し、全員が同じ認識を持って活動できるようにする必要があります。

具体的な目標値まで議論を深める

プロジェクトのゴールについて認識を合わせる際は、可能な限り具体的に考えることが重要です。抽象的な方向性ではなく、定量的・具体的な目標を定める必要があります。具体性のない目標では現場で実際にどのように行動すればよいか曖昧になり、適切な取り組みを実現できません。基本方針を決めたうえで、具体的に何をすべきか定めましょう。たとえば、提供する価値の詳細や製品・サービスの提供方法などについて掘り下げて言語化することが大切です。

オペレーション改革においては複数の施策に取り組みますが、目標によって最適な施策は異なります。キックオフミーティングの後に実施する標準化、単純化、徹底化を適切に進めて効果的な施策を展開するには、最初の目標設定を慎重に行う必要があります。

可視化(2ヵ月目)

キックオフミーティングを終えたら、業務の可視化に着手します。まずはなるべく多くの部署や業務範囲を対象とし、業務の一覧表を作成しましょう。それぞれの担当者に個別のヒアリングを実施し、正確な情報を集める必要があります。ただし、大人数に対して一度にヒアリングするのは難しいため、あらかじめ部署やグループを区切って計画的に調査を実施することが大切です。

業務を詳しく可視化するには単に業務項目を整理するだけでなく、時間・工数、業務の難易度や必要なスキル、必要なツールなど幅広い内容について確認しなければなりません。業務の可視化の目的は、あくまでも全体像を把握したり、この後の工程における優先度を判断したりするためです。よって、必要な内容を正確に確認しつつも、スピードを重視して取り組む必要があります。

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標準化・単純化・徹底化のスモールスタート(3~6ヵ月目)

自社の業務をひと通り可視化した後は、業務の標準化・単純化・徹底化に取り組みます。標準化は、自社の基準を決めることです。業務に対して合理性と再現性を持たせるために、道具、動作、手順、スキル、時間などを標準化しましょう。単純化は、業務の無駄を省くことです。不要な業務をなくしたり、自動化によって効率よく進められるようにしたりします。標準化と単純化を終えたら徹底化に取り組み、標準化と単純化の結果を現場の業務に定着させます。

ただし、いずれについてもまずは対象とする範囲を絞り込み、スモールスタートで始めることが重要です。業務の可視化は現状の確認であり、取り組んだからといってプロジェクトの成果に直結するわけではありません。一方、標準化・単純化・徹底化は具体的な成果につながる議論が中心です。対象とする範囲が広いと、目標がブレたり、冷静な判断が難しくなったりする可能性もあります。標準化以降はプロジェクトの難易度が高くなるため、まずはスモールスタートで着実に成果を上げることが大切です。対象とする範囲が小さければ、議論が複雑になっても最初に定めた目標に立ち返りやすくなり、最適な結論を導き出しやすくなります。

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価値強化に向けた先行企画も並行して着手する

標準化以降の工程と並行し、企業の付加価値を増やす「価値強化」にも着手しましょう。価値強化のためには商品開発や販路拡大などの取り組みを進める必要がありますが、準備には時間が多くかかります。価値強化の施策をスムーズに実現するためにも、早い時期に準備を開始することが大切です。まずは簡単なアイデアを出すだけでも構わないため、なるべく早めに始める必要があります。

また、オペレーション改革は、標準化・単純化・徹底化による無駄な業務の削減と価値強化の両方によって成り立っています。そのため、無駄な業務の削減に取り組みつつ、その先の価値強化について意識することが重要です。無駄な業務の削減と並行して価値強化に向けた先行企画にも取り組むと、オペレーション改革に必要な活動を一体的に進めやすくなります。

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半年総括(6ヵ月目)

オペレーション改革に着手してから半年が過ぎたら、それまでの取り組みについて総括しましょう。具体的な活動状況、課題点、対策などを中間報告としてまとめ、関係者と共有します。実際に取り組みを進めていくと、最初に設定した目標の解釈や方向性にブレが生じる場合もあります。半年程度経過した時点でそれまでの取り組みを振り返る機会を設ければ、目標の再検討や再設定が可能です。実際の取り組みを踏まえて調整が必要な部分が発生した場合は、適宜変更してください。

中間報告を行うとプロジェクトの目的や意義を関係者同士で改めて共有して確認できるため、その後のプロジェクトをスムーズに進めやすくなります。

全体効率化(7~12ヵ月目)

7ヵ月目以降は改善する範囲をさらに広げて全体効率化を実施し、価値強化の実現に向けた取り組みを進めましょう。一般的なスケジュールとしては、標準化・単純化・徹底化の各工程をそれぞれ2ヵ月と想定しています。ただし、実際の取り組みの状況に応じて各工程にかける期間を変化させても構いません。たとえば、項目を分けて五月雨式に進める方法もあります。

ここで特に重要なのは、プロジェクト全体の目標に沿った取り組みを展開することです。プロジェクトの関係者が多い場合、目先の施策や細かい部分などに注目が集まり、最終的に目指すべきゴールを見失いやすくなります。そのような事態を避けるためには、関係者同士でミーティングする機会を積極的に設けるべきです。情報共有や目標の確認を定期的に繰り返し、常に正しい方向性でプロジェクトを推進できるようにしましょう。

プロジェクト推進の本質は「継続的に改善する」こと

生産性向上プロジェクトとしてオペレーション改革を推進するうえでは、継続的な改善を意識する必要があります。業務のムダ・ムラ・ムリを削減するとともに、そこで浮いた時間やリソースを活用した価値強化を続けることが大切です。

オペレーション改革の目標を達成するには、長期的な目線で取り組まなければなりません。1年だけで終了させず、2年目以降も改善を加えながら継続しましょう。より高い目標を設定すれば、自社の生産性をさらに高められます。そのためには関係者同士のミーティングの機会を引き続き設け、目標や取り組みに対する意識などをこまめに共有し続ける必要があります。

まとめ

生産性の向上を目指すには、オペレーション改革による業務の無駄の削減と価値強化に取り組む必要があります。まずはキックオフミーティングを実施し、関係者間で目標や認識をそろえるところから始めましょう。また、業務の可視化はなるべくスピーディに行い、スムーズに標準化・単純化・徹底化に移行できるようにしてください。中間報告による振り返りや定期的なミーティングでの情報共有も重要です。全体効率化を進める際も、全体の目標を常に意識して取り組みを進める必要があります。生産性向上のためのプロジェクトを継続的に推進し、自社の価値を最大限に高めましょう。